「 エリオット波動の形についてはなんとなく分かったけれどもう少し詳しくエリオット波動(ウェーブ)を知りたいなあ」
そんな人に対してこの記事ではエリオット波動の要点を抽出してみました。
エリオット波動はシンプルながら扱うことが難しいと言われています。
実際に使う場合は、複数のエリオット波動のシナリオを用意して、その中から合理的に立ち回りしていかないといけません。
ですが、複数のエリオット波動のシナリオを立てるためには前提知識が必要です。
線を引く前に知っておきたいエリオット波動理論をピンポイントで解説します。
この記事を読めば、エリオット波動理論の全体像をサクッと俯瞰できるようになるでしょう。
草猫店長の目次ノート
エリオット波動理論の要点まとめ
知っているよ、という人も少なくないかもしれませんがエリオット波動のキホン中のキホンは上げの上昇5波と下げの下降3波です。

トレンド全体が上目線の場合は上昇5波(推進波)と下げの下降3波(修正波)になり、トレンド全体が下目線の場合は反転する場合があります。

エリオット波動理論の要点
エリオット波動理論の概要は以下の15ポイントで解説できます。
ちょっと多いですし文面だけでは理解しにくいのでザッと目を通す程度で良いかと思います。
1. エリオット波動では「波の高さが価格変動である」
2. 価格の大きさは変動率の大きさを指す
3. エリオット波動にはローソク足を使う
4. チャートはログスケール(片対数目盛り)を使う
4. エリオット波動は5波動で推進して3波動で修正する
5. 上げ波はアクション波、下げ波はリアクション波(5波と3波のマトリョーシカのそれぞれが上目線なら上げ波がアクション、下目線なら下げ波がアクションとなる)
6. エリオット波動はマトリョーシカ人形のようになっている
7. トライアングルは修正波
8. 推進波に9波動が混じることがありその9波動はエクステンション
9. エリオット波動の難しさはマトリョーシカ人形のような混在にある(フラクタル構造)。
10. エリオットの推進派にはいくつか種類がある。
11. エリオット波動の構成 推進派の中身→インパルスとダイアゴナル。 修正波→ジグザグ、フラット、トライアングルとなっている。
12. ダイアゴナル。上昇ウェッジと下降ウェッジに近い形。上昇・下降ウェッジの反対に価格帯を広めながら抜けるものは拡張型ダイアゴナル
13. トライアングル。3-3-3-3-3の形で高値と底値の幅が同じになりながら値幅が切り詰められていく形のこと。反対は拡大型トライアングル
14. 複合修正波という複数の修正波の形が入り混じることがC波ではある。
15. エリオット波動のルール3条。2波は1波の視点を割り込まない。1波、3波、5波の中で3波が一番小さくならない。4波は1波に重ならない。
これだと多くて分かりにくいですよね。上のエリオット波動理論の15ポイントを4つにまとめて解説します。
- エリオット波動における価格の扱い方
- エリオット波動はマトリョーシカ人形のようになっている
- エリオット波動の構成とルールを図解説
- エリオット波動の例外パターン
この4つです。
❶. エリオット波動における価格の扱い方

エリオット波動における価格の大きさは価格の相対的な高さで決めます。
①.100→200
②. 500→1000
の2つの場合、①は100の幅、②は500の幅と見るのが普通ですね。
ですがエリオット波動ではどちらも同じ変動率となります。
図で示したように、相対的な高さの幅は同じで、チャートでもそれを利用します。
しかし普通のチャートではログスケール表示はできません。
ログスケールはTradingViewで使う

世界中で利用されているTradingViewのチャート(公式サイトのリンクはこちら)を使えばログスケール(片対数目盛り)の表記にできるので、変動率でチャートを分析できます。
❷. エリオット波動はマトリョーシカ人形のようになっている

エリオット波動は入り子になエリオット波動の例外パターンっていて、大きな時間足のエリオット波動の中に、小さな時間足のエリオット波動が隠れています。
エリオット波動を難しくするのはこのマトリョーシカのように複数のエリオット波動が混合していることに夜と言われています。
時間足別にエリオット波動を正確に見分けるためには練習が必要なようです。
❸. エリオット波動の構成とルールを図解説

エリオット波動は大きく分けて推進波(上げの5波)と修正波(下げの3波)に分かれます。
ただし、より大きな時間軸におけるトレンドに応じて推進波が下向きに、修正波が上向きになります。
次に「推進波」と「修正波」の中でも波形によって名前がついています。
❷. ダイアゴナル
❷. フラット
❸. トライアングル

推進波の波形パターン

❷. ダイアゴナル
❶. インパルス

インパルスの見分け方は「4波が1波を下回らない」「3波が一番短くなることはない」の二つです。
さらに、しばしばインパルスの3波がエクステンションといって、3波の中に推進派(5波)が発生します。
波が巨大化するんですね。3波に生じやすいというだけであり、エクステンションは1波、5波にも生じる可能性があります。
インパルスの場合はエクステンションしたものが形成されやすいと言われます。

インパルスのエクステンションが生じた場合、エクステンションが生じている波以外は同じ長さになりやすいです。
3波にエクステンションが生じた場合は、1波、5波が同じ長さになりやすいです。
詳細パターンはインパルスのパターン集の記事で解説しています。
❷. ダイアゴナル

推進派のダイアゴナルの波形では「1波が4波」と重なります。インパルスの場合は重なることはなかったの
ですが、ダイアゴナルの場合は重なるのが大きな特徴です。
各波の中身(副次波)も特徴があって、3波ずつの小さな波が混じっていることがあります。
5波→3波→5波→3波→5波のパターンはマトリョーシカのように隠れています。ダイアゴナルでは違うパターン”も”あります。
3波→3波→3波→3波→3波のパターンです。

図解すると上のように3波の連続で推進波が形成されています。
さらに、ダイアゴナルはウェッジ(上昇・下降ウェッジ)を形成しやすいです。

ウェッジとは、上値と下値がどんどん切り詰められていき変動幅が小さくなっていくチャートの形を言います。
ダイアゴナルではウェッジの形が作られやすいです。
ウェッジについては【 否定やダマシ 】 仮想通貨(BTC)でみる上昇ウェッジと下降ウェッジで詳しく図解説しています。
ダイアゴナルはトレンド転換点で現れることがあるので相場の大切なシグナルになるものです。
ダイアゴナルのパターン集はダイアゴナルのパターン集で記事にしました。
修正波の波形パターン

修正波の基本パターンは「ジグザグ」「フラット」「トライアングル」の3つです。
ですが、”急こう配な修正“、”横ばい修正“とよばれる修正される際の波の変動率で分類すると実はさらに多くのパターンに分けることができます。

修正波は推進波と違い、複雑になりやすいです。それも一因のため、種類も推進波よりも多いのです。
この記事では全て解説するとおぼえにくいし、ボリュームが大きくなるので「ジグザグ」「フラット」「トライアングル」の3つの形を解説します。


ジグザグ(急こう配な修正)

ジグザグは “A波→B波→C波” の中身(副次波)が “5波→3波→5波” になります。
C波がA波に重なることはありません。
C波の方が変動率が大きくなりやすいそうです。
目安は 1:1.618 の黄金比になっています。

A波までの価格の大きさと、C波までの価格の大きさの比です。
A波とC波は重なることはなく、大きく引き離す(下回る)ようになっています。

ちなみに “5波→3波→5波” の中身(副次波)は “インパルス→ジグザグ→インパルス” になることが多いんですね〜。
ダブルジグザグ、トリプルジグザグまでのパターンはでジグザグのパターン集解説していますよ。
フラット(横ばい修正)
フラットは “A波→B波→C波” の中身(副次波)が “3波→3波→5波” になります。

フラットの場合、C波がクセものです。
フラットという名前もあるし、横ばい修正にわけられているので、C波は落ち着いた値動きに思われます。
ですがC波の巨大化した場合は「急こう配な修正」といっても良さそうなくらいの修正が入ります。

推進波のインパルスで説明した、インパルスの3波で起こりやすいエクステンションがあります。
修正波のフラットのC波にもエクステンションと似たように巨大化しやすいです。
巨大化しやすい一方で、C波がA波を抜かすことができない場合があります。
もしC波がA波を抜かすことができない場合の形を「ランニングフラット」と呼びます。
フラットをもっと詳しく知りたい!という人はフラットのパターン集を読んでみてください。
トライアングル(横ばい修正)
トライアングルは “A波→B波→C波” の中身(副次波)が “3波→3波→5波” になります。

横バイになる流れですが、横バイのあとはトレンドに続いて、上昇トレンドなら上目線に抜けます。
値段がどんどん切り下げられていくのが特徴的です。
少しテクニカルを勉強したことある方ならよくみたことある形式かもしれませんね。
そう、三角保ち合い(ペナント)の形式ですね。

三角保ち合いは3種類あります。
エリオットウェーブ のトライアングルでも3種類あります。

三角保ち合いに関しての記事である三角保ち合いを仮想通貨(BTC)で図解 ~エントリーポイントからダマシまで~の記事を読むとさらに理解が深まりますよ。
ダブルスリー、トリプルスリーといった複合修正波についてまでトライアングルのパターン集で解説しているので詳細を知りたい人はどうぞ。
❹. エリオット波動の例外パターン
相場の変動幅(ボラティリティ)が大きなところでは例外パターンがあります。ここでは要点だけを抽出しておきます。
❷. ダイアゴナルでは、5波がごく稀に3波を超えられずに失敗(failiure)することがある。
❸. ダイアゴナルでは、拡大型ダイアゴナルがあり、価格が切り上がっていく波形になることがある。
❹. トライアングルでは、拡大型トライアングルがあり、価格が切り上がっていく波形になることがある。
❺.1分から5分のような短い分足の時間足に例外が発生しやすい。
他にもたくさん、例外的な動きがたくさんあるようです。
ちなみに、フィボナッチ比率ともよく関連があると言われています。
エリオット波動について理解が深まったらフィボナッチ比率も合わせて深めて行きたいところですね。
エリオット波動でフィボナッチ比率を使うメリット
1.波動の終点の目処になる
2.波形の美しさを判断するときに手がかりのひとつになる。
波形が本当に正しいのかどうかをフィボナッチ比率からかけ離れているのかどうかで見分けることができるようになります。
実際のトレードではエリオット波動は簡単に予測できない
実際のトレードでは後出しジャンケン的に「こんなエリオット波動だったんだね」ということが分かります。
これは単純に慣れていくしか解決策はないのでしょうか?
もちろんそれもあると思いますが、複数のシナリオを立てることが大切です。
上目線のエリオット波動(希望的観測)
下目線のエリオット波動(悲観的観測)
自分がこれだと思うエリオット波動
このように3つのシナリオを立てて予測し、エリオット波動が完成してから答え合わせをして精度を高めていくというのが良いそうです。
私が参考にしたコンテンツ
私がこの記事を書くにあたって実際に見た、読んだコンテンツを紹介します。
動画コンテンツ
エリオット波動の実践的な知識についてはhenashampさんの動画を参考にしました。
この動画はエリオット波動をこれから始めるよーという人に取っつきやすいです。
この動画を最低2回見ると良いかと思います。(CLASS.1の続編CLASS1.1ももちろん覚えるまでみます。)
ただし分析ツールのTradingViewは必須です。世界中でもっとも使われていると考えられるプロ向け分析ツールです。
操作方法などの解説はないので最低限の操作をおぼえてから見ないと身にならないかと思います。
TradingViewの使い方は仮想通貨でテクニカル分析のやり方をおすすめチャート分析ツールで紹介で図解説していますよ。

ちなみにTradingView無料でも使えるんですね〜。だからどうしてもお金がない人でも大丈夫ですよ〜。
ただし無料だと広告が邪魔でちょっとずつ時間を奪われるので快適に使いたいのであれば時間を買うと思って課金すべきですよ〜。
書籍コンテンツ
書籍は「エリオット波動研究」がおすすめです。henashampさんとこの書籍を参考にして記事をまとめました。

この記事に書いていることをもっと正確に知りたい人は読んでみてください。
この記事は自分自身がエリオット理論を理解することも目的として書いているので、この書籍の内容をサクッとまとめた内容になっています。
おまけ:無料で読み放題?マーケットの魔術師

仮想通貨から投資に入った人には有名でないかもしれませんが、チャートに触れる以上、知っておきたいことが乗っている本があります。
その書籍である「マーケットの魔術師」はkindleUnlimitedで読み放題です。
この書籍はトレーダーのバイブル的な存在で、ゾーン心理学に相次ぐ人気の書籍です。
過去の偉大な実績を残したトレーダー達のトレーディングが上手になるまでの実体験のインタビュー集になっています。
偉大なトレーダーも最初は”養分”から始まるもんなんだなあーと思いちょっと安心した気持ちになりました。
証券会社の人などで読んでいる人は多いそうです。
仮想通貨の前に相場で億まで稼いだ知り合いの方にも勧められました。
次いで「ゾーン心理学」もKindleUnlimitedになっていたので読んでおくと良いと思います。相場はゲームではなく生身の人間と衝突し合っているということが知れます。

エリオット波動(ウェーブ)理論の要点まとめ

エリオット波動は使いこなすことができるようになれば、大局観を知ることができます。
大きなトレンドの流れが読めるようになるということですね。
大きなトレンドの流れがわかれば、小さなトレンドの流れも戦術を立てやすいです。
エリオット波動はTradingView(もしくは高機能なツール)を使って実際に自分で線を引いていくと良いかと思います。
(TradingViewの使い方は仮想通貨でテクニカル分析のやり方をおすすめチャート分析ツールで紹介で図解説あり。)
そして、答えあわせ的に、実践して成果を上げている人の線をみていくと上達が早まるかと思います。
もっと突っ込んだ所について知りたい人は下のエリオット波形マップをみてさらに研究してみてください。
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実は上昇5波(推進波)と下げの下降3波(修正波)が反転するポイントに逆三尊や天井三尊と呼ばれるものが形成されやすいんですね〜。