仮想通貨の送金スピード ってどうやって決まるのでしょうか。
「あれ?ビットコインって10分で届くんじゃないの。まだ届かなくて不安だなあ」
送金に関してはあまりに遅いと疑念がよぎってストレスを感じますよね。
今回は送金スピードの決め手となる要因について解説したいと思います。
この記事を読めば、送金時間に関する不安から解放されて、送金に適した仮想通貨を自分で考えることができるようになります。
草猫店長の目次ノート

仮想通貨の送金スピード ~計算式~

最初に結論として、 仮想通貨の送金スピード(時間) を求めると、上の図の様になります。
承認回数 x ブロック生成時間 + ( 送金つまり時間 + 取引所の対応時間 )
具体例としてのビットコイン

今回は一番メジャーなビットコインを具体例として解説していきたいと思います。
ビットコインの仕組みを他の通貨にも当てはめて考えれば、送金に関しての知識はバッチリになっていくかと思います。
ビットコインのスペック
ビットコインの性能 | |
---|---|
ブロック生成時間 | 10分 |
ブロック承認方式 | PoW(Proof of Work) |
最大ブロック容量 | 1MB |
単位 | BTC |
用途 | 送金 |
特にビットコインの性能で送金スピードと切っても切り離せないポイントはブロック生成時間にあります。
このブロック生成時間はユーザー側からぜったいに変えることができません。
ブロックの承認方式について
技術的な内容をはじめて調べる方のために基本的な情報を交えたいと思います。
まず、ビットコインはPoW(Proof of Work)という承認方式を使っています。
承認方式という言葉くらいなら見たことある方が多いと思います。
そもそも承認方式って何?
ではそもそも承認方式とは何でしょうか。
承認方式とは取引履歴をチェックする方法です。

上記が基本の流れです。
上の図でいうところの
❷「チェックする人が不正がないかチェック」
の部分が承認方式になります。
例えば、人がチェックするのか、機械にチェックするのか、どうするのかの方法が承認方式になります。
ビットコインですとPoW(Proof of Work)です。
ビットコインの場合はProof of Work(プルーフオブワーク)となります。
これはコンピューターに承認してもらう方式になります。

図のようにコンピューターに決められて計算式を解くと、ランダムの答えが出力されます。
ランダムの答えの中で決められた計算結果を1番最初に出力できたコンピューターがみんなに変わってチェックすることができます。
これがプルーフオブワーク(Proof of Work)です。
ブロック生成時間

前提知識はよろしいでしょうか。
それでは実際に送金スピード関わる部分について説明します。
ビットコインにはブロックの生成時間があります。
ビットコインの場合は 10分間 に一度になります。
10分間 に一度とありますが、あくまでもこれは平均時間ですので正確に 10分間 に一度という意味ではありません。
統計的にそのくらいでブロックが生成されるように計算難易度などが考慮されています。
ですので、おおよそ 10分間 が送金するための必要最低限の時間になります。
承認数( The Number of Confirmations )

承認数とは一言でいうと「チェックしてもらったブロック数」になります。
図でいえば、「1ブロック目」から見て、「3ブロック目」は承認数が3承認となります。
コンピューターが「3ブロック目」までチェックし終わったということですね。
ビットコインの場合、2018年 4月の段階でも6承認が推奨されています。
6承認の何が良いのでしょうか。
理由は、6承認をされるまでに間に改ざんや、ブロックチェーンの中で分岐が生じるリスクにあります。
ビットコインの場合も無事に 6承認 を終えるまでに改ざんやブロックチェーン上の偶然により送金事故を起こす可能性があります。
途中で送金事故を起こすと最悪、資金消失につながってしまう可能性があります。
そのリスクがほとんど無くなると言われているのが 6承認 からになります。
ちなみに、ブロックチェーン上の偶然とはどの様なことを言うのでしょうか。
ブロックチェーンが分岐するパターン

ビットコインでブロックチェーンが分岐するパターンはコンピューター ” 同時 ” に求められた答えを導き出してしまうパターンです。
ブロックチェーンは人が管理しませんので、承認が被ってしまったからといって止める術はありません。
止められないため2回承認は行われます。
この場合どうなるのでしょうか。このまま増殖していくのでしょうか。
そうではなく、2つのブロックでまた承認作業を続けていきます。

そして、分裂した2つのブロックのうち、先に承認が完了したブロックが優先して次のブロックが生成されていくようにアルゴリズムがブロックチェーンには組み込まれています。
そして上図でいえば、先に3ブロック目を作った方が優先されて、4ブロック目、5ブロック目と生成していくことができます。
さすがに同時に計算結果が出たとして、3回、4回も同時に計算結果を出す可能性はかなり低くなります。
6承認で不十分なケースとして最初に考えられるのはハードフォークくらいでしょうか。
ハードフォークではハードフォーク時に過去の履歴を変更することができます。
(その様な目的でハードフォークをすることは大きなハッキングが生じた時くらいしかしません。)
6承認にかかってしまう時間

ビットコインのブロック生成時間は 10分 であると先ほど説明しました。
それでは6承認にかかってしまう時間はどのくらいでしょうか?
簡単ですね。10分間が6回ですので、6承認にかかる時間はおおよそ 60分 です。
これが基本的にビットコインの送金に必要な時間になります。
早いからと言って良いワケではない?送金スピードと取引所の関係
そこそこ仮想通貨に慣れてきた方だと、
「Aの取引所は早くてBの取引所は遅かったよ」と言ったはなしを聞くことが多いのではないでしょうか。
ですが、これはあまり参考にしないほうが良いです。
実はこの承認数ですが、取引所の方で決めることができます。
公式での見解は6承認が改ざんされロールバックされても影響をうけない推奨された数字になります。(実際にはロールバックされてしまった経験がありますが滅多に起こりえません。)
ですが、推奨されているからといってすべての取引所が守っているわけではありません。
たとえですが、アクティブに送金できることを強みにしている取引所は3承認で取引完了にして送金を許してしまうかもしれません。
2016年度のコインチェックは 3承認 だったようです。
逆に 10承認 でも良いですが、そうやって増やしていくと天文学的なリスクになっていきますので取引所の塩梅に左右されます。
早いからといって必ずしも良い取引所というわけではありません。
1承認 で送金をオッケーにしている取引所を利用したいでしょうか。
ほとんどの取引所は大体、推奨された 6承認 で標準目安は 60分 になるかと思います。
人間のチェックを取り入れた取引所もある
さらに、取引所によってはどこかの段階で人のチェックを入れているところがあります。
何千何万という処理件数を人力でやることは難しいのでユーザーからは残念ながらどこの部分で、どのような条件の送入金に対して人間チェックを入れているのかわかりません。
ですが、ある程度は人に頼っている取引所があります。
QUOINEXは出金、入金に関しては人に頼っている部分があると情報が出ています。
QUOINEXは 100%コールドウォレット管理 と呼ばれている完全オフラインで利用者の預け入れ資産を扱える独自のシステムを開発している会社です。
そのためセキュリティに関しては他の取引所と比較して、かなりハイセキュリティになっています。
取引所に保有していてもある程度、ほっとできるって素晴らしいですよね。
QUOINEXについての詳しい説明はしたの記事に書いていますので気になる方はクリックしてみてください。
メール認証を取り入れた取引所
海外取引所などでは、アカウントから送金を申請すると「メール認証」を求められたりします。
メールを認証した後でも取引所から承認を求められたりもします。
このように、「6承認の時間 + 取引所の許可する時間」も送金時間に含められます。
送金つまり

次に送金時間と大きく関わる要素は送金つまりです。
送金つまりとはどのような症状なの?
送金つまりとはブロックサイズに収まりきれない取引処理が漏れてしまい、次の取引まで待たなければならない状態を言います。
ビットコインの場合、「1MB」分の取引(トランザクション)までブロックの中に取り込むことができます。
ですが、ビットコインは通常の場合だと最大でもおおよそ3000件程度までの取引(トランザクション)しかブロックに収めることができないと言われています。
そのため、「1MB」を超える取引が発生した場合は次のブロック、そのまた次のブロックまで待たなければブロックの中に取り入れてもらえなくなります。
送金つまりでかかってしまう時間

正直ここは難しいです。頑張って計算しても、そもそもブロックの生成時間が 10分間 / 回 というのも平均
の時間になります。
ビットコインはデータ圧縮対策などを行っていない標準状態であると 10分間 あたり 3000件程度 までしか取引をさばくことができません。
目安としては blockchainというサイトにいけばトランザクションを時期別に表示されているので、ピーク時と比較してどのくらいかは確認できます。
blockchainの公式サイトへ移動する人はこのリンクをクリック
ですが、3000件以上の取引が短い時間にまとまって処理を3万件、4万件と要求されているかもしれませんし、逆に時間帯によっては 3000件未満 に処理しなければならない量が少ない可能性もあります。

図は1分あたりの処理件数です。
同じ1日でも時間帯によっては100倍の件数が異なります。
一応送金つまりの対策は取られていて対策の名前はSegwit
2017年にSegwitと呼ばれる取引データを全てブロックに保存せず保存に必要なものだけを番号(署名)にしてブロックの中に格納する対策を実施しました。
理論上は4分の1にデータサイズを圧縮できたそうですので、理屈では最大で 1.7MB分の取引を保存できるようになると言われています。
単純計算だと 5000件 / 10分間 は処理できますね。
それでも送金つまりはまだまだ生じています。
新しい技術が開発されても導入するかどうかは取引所が決めれるということですね。
最近はイスラムで仮想通貨(暗号通貨)を使っても良い風潮になってきたり、風向きがさらに変わっている業界です。
イスラムは 16億人以上 の人口を占めていますから今後もさらに参加人数の母数が拡大していきそうです。
送金つまりの問題は早急に解決されるべしですね。
送金スピードを高めるには?
ここで送金スピードを高めるためにはどうすれば良いでしょうか。
簡単な方法を教えます。
❷. 最初から送金スピードの良い仮想通貨を選ぶ
❸. 時期を選ぶ
上記の3つがかなり容易な対策です。
❶. 手数料を多く支払う
送金つまりを解決する方法が手数料を増やすことです。
ビットコインの場合は、承認者(コンピューターの所有者)の方で手数料を多く支払ってくれた取引を優先的に承認することができます。
手数料は高い方が嬉しいので当然ですね。
ですがこの方法にも限界がります。
送金つまりのピーク時はすべての取引所で送金手数料を高めていきます。
そのため、結局、送金手数料が高くなるだけで送金速度を高めることができないことが珍しいのですが起こりえます。
むしろ、最初に安い手数料で送金しようと思った人たちがどんどん順番を後回しにされていってしまうことが生じます。
根本的な解決策にもなりません。
ですので次の方法がベストです。
❷. 最初から送金スピードの良い仮想通貨を選ぶ
最初から送金つまりが生じるような仮想通貨を選ぶことをやめましょう。
そうすれば、問題ありません。
基本的に「リップル(XRP) 」を送金目的として使えば大体の人の用途は済ませられるかなと思います。
「リップル(XRP) 」であれば、数十円〜数百円 程度の送金手数料でしかも高速で送金することができます。
そのため、わざわざビットコインを選ぶ積極的な理由はあまり思い浮かびません。
海外取引所へのベストな送金方法について悩んでいる方もいるかと思います。
国内取引所に絞って海外送金用にオススメの取引所をベスト3のランキング形式でまとめた記事がありますのでよかったらクリックして読んでみてください。
❸. 時期を選ぶ

文字が小さくて読みづらいと思うのですが参考程度にしてもらえればと思います。
図はビットコインの時期別のトランザクション量を視えるようにしたものです。
2017年度末が高まっていますね。一方で2018年の2月〜4月はとても少ないですね。
この時期であれば送金しても送金つまりで数日も待つ可能性は少ないと言えそうです。
ビットコインのように今のところは合理的な選択になりにくい通貨でも送金したい!
という場合は時期を意識すると良いかと思います。
送金スピードの将来
仮想通貨の処理能力アップの手法についてはかなり議論が進んでいます。
特に仮想通貨の王者であるビットコインについてはかなり盛んです。
次にスマートコントラクトのイーサリアムが盛んに処理量に対して解決策がさまざまに提案されています。
実際にビットコインで提案されている案を紹介したいと思います。
ライトニングネットワーク
ライトニングネットワークではオフチェーンと呼ばれる技術を使います。
オフチェーンとはブロックチェーンをOFFにするチェーンという意味になります。
オフチェーンの対義語がオンチェーンです。オンチェーンはブロックチェーンになります。
より詳しく言い換えると、
「ブロックチェーン(オンチェーン)上でなくても処理できる取引データの一部をブロックチェーンから切り離しで別のところで処理しときましょう。それで処理能力アップです。」
という技術になります。
こうすると何が良いのかというと、ビットコインは容量が1MBしかありません。
そのため処理できる量に限りがあります。
今まで説明してきた様にデータを捌ける量に限りがあると送金つまりを起こしてしまいました。
ですがオフチェーンにするとデータを圧縮できます。
データを圧縮すると当然、データを捌ける量が増えますね。
しかもデータを捌ける量がかな〜り増えるため、送金手数料が数円レベルになると言われているのがビットコインのオフチェーン、すなわちライトニングネットワークのプロジェクトになります。
実験上では成功しています。
ただ、ビットコインへの変更は仮想通貨の将来にかなり大きく影響を与えるため簡単に変更を加えられません。
実験をとにかくしていかなければなりません。
もしうまく実装できればほぼ100%で実装前よりも価格はかなり上昇していくはずで。
送金速度で悩まなくなる時期も到来?
2、3年程度ですぐに到達できるとは思いませんが、
ライトニングネットワークのような技術でデータ処理能力をかなりアップ。
それに加えてコンピューターの性能スペックも上がりデータ処理能力をかなりアップすると、それぞれの相乗効果で相当な処理能力を現実的につかえる形で実現できるようになります。
そうなっていくと送金に数百円も支払って何日間も着金に時間をかけていたのが信じられないと次の世代に思われるような世の中に変わっていくかと思います。
インターネットが流行り始めた当時に画像を表示するのに丸1日も必要だったという時代があったように、ブロックチェーンも送金に丸1日かかっていたことが笑い話にいずれなるのではないでしょうか。
仮想通貨の送金スピード まとめ
ここまででビットコインを例にしてきましたが、送金スピード(時間)がどのくらいかを具体的に計算できるようになりましたでしょうか。

取引所別に送金と入金をオッケーするための承認回数は決められていて、承認回数の分だけブロック生成時間もかかります。
そして取引所ないでも個別に送金と入金を許可するための処理の時間も必要でした。
さらに、時期に応じて送金つまりという仮想通貨の渋滞も起きることを説明しました。
以上までで送金のために利用する仮想通貨の選び方の参考になったのではないでしょうか。
具体的にどの仮想通貨の選び方を決めるのか二ついては国内の取引所別に一番ベストな送金方法を提案している記事をまとめているのでそちらを参考にしてみてください。
\ 次の記事をクリックする! /
国内取引所から海外取引所への具体的な送金方法をしりたい人は下の記事が参考になります。
着金までのスピードがおおよそ 10分未満 で送金手数料が安いリップル(XRP)はブロックチェーンではないと言われています。
その理由とリップルの将来性について記載しているのは下の記事です。
良かったらシェアしてね♪ /