
セキュリティトークンという言葉が急に日の目を見るようになりました。
理由は単純で、とても大きな市場を扱うトークンというのが関係していると思います。
実はセキュリティトークン専用のICOのことをSTOと呼ぶのですが、そんな専門用語を出現させるくらいには注目を浴びています。
この記事を読めばセキュリティトークンの基礎知識的なところと、セキュリティトークンの影響力について把握できるような内容にしました。

セキュリティトークンとは

セキュリティトークン(Securities Token)とは証券トークンという意味です。
要するに有価証券を仮想通貨で表現したものがセキュリティトークンです。
セキュリティトークンの実態を表すためにセキュリティトークンがもたらすことをまとめてみました。
❷. 市場を拡大させる
❸. トークンの柔軟性ならでは新しいタイプの取引を可能にできる
❹. 取引の利便性を高める
❺. 世界標準ができて取引のハードルが引き下がる
証券をうまくトークン化にすることで、今まで以上に取引を加速させて行くことができると言うことですね。
世界の経済成長に少なからず影響を与えていく可能性は十分にあります。
それがセキュリティトークンです。
有価証券ってそもそもなんだっけという人に
価値が有る証券だから有価証券です。と言うとそのまますぎるのでもう少し解説します。
有価証券とは保有しているだけで配当や何かしらの権利が得られるものです。
代表的なものに株式が含まれます。
株式の場合だと「配当権」とか「株主総会での発言権」を持つことができますよね。
他にも「国債」とか「社債」も保有しているだけで利益の還元が得られるので有価証券になります。
「投資信託」も有価証券の一つになります。
セキュリティトークンはSEC規制に見合ったトークンです
SEC(米国証券取引委員会)は度々ニュースに出るのでご存知の人もそれなりに増えてきたと思います。
SEC規則とは投資家保護規則のことですね。

セキュリティトークンはSEC規制の基準に乗っ取って作られていることが大前提となります。
なぜ、アメリカのSEC規制に乗っ取ったトークンである必要が有るのでしょうか。それは世界的にSECの規制はとても厳しいものとして知られているからです。
SECに認められた商品は厳しい審査の目を通したものだから、価値が有るんだということを世界に示すことができます。
過去に金がSECに認められて上場(ETF)した際に年金基金がゴールドに流れました。そのことも要因の一つとして、金の時価総額は一気にアップしました。
セキュリティトークンとアセットトークン
証券って幅広く言えばアセット(資産)ですね。
ですのでセキュリティトークンもアセットトークンと呼んで良さそうです。とはいえ、一般的な言い方はおそらくセキュリティトークンです。
アセットトークンの場合も証券と近いですが、どちらかと言えば先物に近いものを指します。
金や不動産の価値に裏付けられた類のトークンなので微妙に意味合いが異なります。
今はまだイメージしづらいかもしれません。あなたは使い余している土地が有るので複数人に土地の権利を分けたいことが有ると思います。
その時にトークンを使って土地の権利を33%くらいずつを渡すとか、そういった手段を可能にするのもアセットトークンと呼ばれるかと思います。
ただ、記事によってはアセットトークンとセキュリティトークンが一緒くたに説明されていたりするので意味が被っていたりしていると思います。
また、アセットトークンよりもセキュリティトークンの方が世間的なイメージはよくなると思います。
セキュリティトークンはSEC規制標準ですので「先物」よりも上位の位置付けの存在になりますからね。
ですので、ここまで説明したように有価証券を指すときはセキュリティトークンが一般的ですね。
セキュリティトークンの市場規模
The Money Projectと呼ばれるファイナンシャルメディアの調査によると世界の主要な証券会社の60社を合わせた価値は69兆ドル(約7600兆円)だそうです。
アジアとアメリカ、ヨーロッパの主要な3地域だけで世界の93%の株価を保有しているそうです。
これだけ巨大なマーケットの10分の1でもセキュリティトークンに置き換えられれば仮想通貨の市場は760兆円は増すことになるでしょう。
すでに仮想通貨には証券を取り扱うプロジェクトがたくさんあります。そうしたプロジェクトの市場規模は1兆ドルを超えているそうです。
もちろん一筋縄では行かないポイントは有ると思います。なぜなら、セキュリティトークン化されて困るのは証券会社ですからね。
自動化されて、真っ先にリストラされるのは末端で働いている人たちです。
というのも、セキュリティトークンがやっていることは要するに既存の証券会社が行なっている業務を仮想通貨トークンに置き換えるものです。
世界の証券業務の自動化と自動化による効率アップがセキュリティトークンの本質かもしれません。
そんな業界人たちを淘汰してしまうセキュリティトークンはすぐには浸透しない気がします。
ですが普及すれば人が介在していた業務を自動化する訳ですから必然的に取引の高速化が行われます。
そうすると市場規模は増すでしょう。
プログラミングも用意ですのでもっとミクロな人たちが取引に気軽にポチッと参加できるようになったり、投資信託を通じなくても購入できる証券が増えるので取引が盛り上がるのは必然でしょうね。

こんな便利なトークンが24時間365日のフル稼働で動いてくれるんですから盛り上がらない方が不思議ですよね〜
繰り返しになりますが、セキュリティトークンは証券会社が投資家に利益分配とか議決権とかを配当する仕組みをトークンに置き換える仮想通貨トークンです。
しかもスマートコントラクトでトラストレスでかつ自動で行われます。証券会社よりも信頼性は高くなります。(信頼する必要性がないくらいに信頼性が高いとも言えますね。)
セキュリティトークンが急に話題に上がってきたのも頷けてきたのではないでしょうか。
セキュリティトークンのプロジェクト
セキュリティトークンの普及を加速させるためのプロジェクトが増えてきています。
その一部を3つだけ紹介したいと思います。
POLYMATH

POLYTMATHはSEC規制に準拠したレベルの法律に準拠したセキュリティトークンを作ることができるプラットフォームです。
しかも作ることは簡単で、メタマスクと呼ばれるブラウザ専用ウォレットを提携してイーサリアムベース(ERC20)で作ることができます。
証券化するためには様々なプロセスが必要ですがそういった面倒なものをPOLYMATHの枠組みを使えば省くことができます。
セキュリティトークンを知っていく上で必ず知ることになるサービスだと思います。
tZERO

tZEROを一言でいえば「セキュリティトークン専用の取引所」です。
24時間365日、セキュリティトークンを通じて有価証券を交換できることに特化しています。
株の在庫を簡単に管理したり、売買するにあたって必要な入り口のインフラになっていく予定なのがtZEROです。
Orderbook by Ambisafe

Orderbook by Ambisafeが面白いのは、投資家を検閲するためのサービスを提供するものだからです。
規則や規制に合わないタイプの投資家がいた場合はその投資家がセキュリティトークンを購入できないようにします。
投資家の情報を参照できるデータベースを用意して、投資家のデータが許容できるものかどうかを自動で行えるようにします。
Ambisafe自体はICOの取引をサポートする会社です。Ambisafeの製品の一つとしてOrderbookを開発しているようです。
セキュリティトークンとは まとめ

仮にですが、世界の証券会社の資産が全てセキュリティトークンに置き換えられたなら、世界を巡るお金はさらに加速して世界経済はさらに成長をしていくのではないでしょうか。
仮にセキュリティトークンが市場の1割でも2割でも食い込めば、世界は仮想通貨の存在をますます無視できなくなるかと思います。
世界経済の市場に対してまだまだ仮想通貨は小さいです。執筆しているタイミングでも40兆円とかそのくらいです。
セキュリティトークンはこれから更に期待される領域だと思いますので新しい情報が入ってきたらまたまとめて見たいと思います。
最近はセキュリティトークン以外にも、ユーティリティトークンとかSoVトークンなど種類が増えてきました。
そんなトークンが乱立している中で、どういった種類があるのかサッと把握できるように【多すぎ】 仮想通貨トークンの種類【乱立してきたトークンをまとめる】で仮想通貨トークンをまとめたので読んでみてください。
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