【 コントラクトウォレットとは 】標準装備のスマートコントラクト

コントラクトウォレットとは サムネイル

平野さん(@junbhirano)のEthereumのコントラクトウォレットの解説。これから大きく変わるウォレットの仕組みとユーザー体験について。を読んで、自分なりに理解するためのアウトプットとしてこの記事を書きます。

 

コントラクトウォレットという単語を使っている人自体は国内で平野さんやDApps開発者くらいしかまだ存在しない(2019年6月)ため検索され始めるのはまだ先かなあと思います。

 

さて、まだ理解は足りていないのですが、「コントラクトウォレットとは何ですか?」に対して一言で答えると「従来のウォレットアプリにスマートコントラクトがデフォルトで備わっているウォレット」と表現できるのではないかと思います。

 

個人のウォレットにスマートコントラクト?といってもパッとしないと思うので詳細を以下に述べます。

この記事では数分でコントラクトウォレットの概要を把握できるようにまとめています。

 

コントラクトウォレットはカスタマイズ性の高いウォレットアプリ

実際に実装されるのかはわかりませんがコントラクトウォレットでカスタマイズできるようになりそうなポイントを並べてみました。

コントラクトウォレットでできそうなこと

・DAppsへの支払い連携

・ウォレットアドレスの名前を編集する

・定期的に口座の中身を引き出すことができる

・自分で何らかの条件を設定して任意のアカウントへ通貨を送る

・etc…

従来のウォレットであれば暗号資産を預けて引き出すことしかできませんでした。

UI(見た目)がアプリによって異なるだけでやっていることは同じです。

 

「GO! WALLET」や「Trust」のようにDApps用のブラウザがアプリ内に用意されているものもありますが、ネットでDAppsと繋げているだけでアプリそのものがDAppsの機能(スマートコントラクト)を保有している訳ではありません。

 

ですが、コントラクトウォレットであればすでにウォレットそのものにスマートコントラクトが標準で備わっているので色々な機能を扱うことができます。

カスタマイズ性が高いと言えます。

 

従来のウォレットとの相違点

従来のウォレットアプリの利用だと、DAppsへイーサリアムを送金してDApps先でスマートコントラクトを動かしていました。

従来のウォレットアプリのスマートコントラクト利用(DApps)

ですが、コントラクトウォレットではすでにスマートコントラクトのプログラムが備わっているためダイレクトにスマートコントラクトを実行できます。

コントラクトウォレットのスマートコントラクト利用
従来のウォレットと異なるポイント

・セキュリティ

・ウォレットアプリの利便性

・手数料(Gas)の有無

主に上の3点が異なります。

 

セキュリティ

秘密鍵の保管方法が異なります。

 

従来のウォレットアプリの場合は個人で秘密鍵を管理していました。具体的には合言葉です。

ですがコントラクトウォレットでは複数人で秘密鍵を管理します。具体的には個人、開発者、および開発者側が選んだ第三者。

 

いわゆるマルチシグ(複数署名)の方法で秘密鍵を管理します。

開発陣を信頼しないといけませんが、開発陣が秘密鍵を代わりに管理してくれることになるためGOX(秘密鍵を無くして永遠に資産を取り出せない)を避けることができます。

 

ウォレットアプリの利便性

繰り返しになるところですが、従来のウォレットではできなかったカスタマイズを行えるようになります。

 

従来のウォレットアプリはただの箱の入れ物のようでした。箱の見た目は変えることができても、結局は箱は箱でした。

ですがコントラクトウォレットはカラクリ箱のように様々な条件付けを行うことができます。

 

手数料(Gas)の有無

コントラクトウォレットは、スマートコントラクトを使ってウォレットアプリを利用するため当然ですが手数料(イーサリアムであればGas)が必要です。

ウォレットアプリのアドレスの名前をカスタマイズする度に手数料がかかります。

 

しかし、そうした”タダでできて当然”だった所でいちいち手数料がかかるのは人類にはまだ早いですよね。

次に紹介するArgentと呼ばれるコントラクトウォレットの代表アプリはArgentが手数料を負担しているようです。(と推測されている)

 

現在の代表的なコントラクトウォレット「Argent」

現在の代表的なコントラクトウォレット「Argent」

Argentの公式サイトはこちら

Argentはコントラクトウォレットの代表格です。

実際にダウンロードしてみましたが、お手軽に使える印象を持ちました。

Argentのダウンロード直後

ダウンロードして立ち上げるとすぐにユーザーネームをつけることができます。

草猫店長

珍しいことに電話認証を求められたにゃあ。Argentの場合、電話番号が秘密鍵の代わりとなるようだにゃあ。

コネ
電話番号を紛失してもArgent側がマルチシグの署名者となってアカウントを復元できるそうですね〜。

 

ちなみにスマートコントラクトの手数料をArgentが負担しているようですが、まずは利用者を集めてそれからDApps先の企業でも探して広告費をもらったりしてマネタイズしていくのではないでしょうか。

もしくは高機能なスマートコントラクト機能をあとで発表して課金するとか、そうしたところから売上を立てていくのかなと思います。

 

コントラクトウォレットの将来性

Ethereumのコントラクトウォレットの解説。これから大きく変わるウォレットの仕組みとユーザー体験について。

の記事でも説明されていたのですが、何年後かわかりませんがコントラクトウォレットがウォレットアプリのスタンダードになると私も思いました。

 

理由はコントラクトウォレットの方が”より自然に”扱えるからです。

自然に扱えるというのは、ブロックチェーンの技術や必要な専門知識、背景についてわかっていなくてもストレスなく扱えるという意味です。

 

コントラクトウォレットはアドレス名を自分の名前に変えたり、銀行で送金先を登録するように友達の名前で送金できるようになります。

一般的な暗号資産を保有している人たちは従来のウォレットアプリに対しては理解しづらいものがあり手をつけていなかった人も少なくないと思います。

 

銀行並みに簡単に扱えれば当然ですが利用者は増えていくと思います。

 

利便性で考えるとコントラクトウォレットの方が明らかに便利になりますし、ブロックチェーンについて理解がなくてもより簡単に使えるようになります。

 

とは言えマルチシグ管理のため自分ではないアプリの開発陣を信頼しなければならないリスクがあります。

そのため、大金を預ける場所というよりもメタマスクのように日常使いのお財布として利用されるのではないでしょうか。

 

一方で従来のウォレットアプリはより安全に資産を管理するための保管専用のアプリとして価値を高めていくのかなと思います。

 

国内でもそのうち日本語に対応したアプリをリリースする人が増えてくると思います。

どちらかというとSBIなどの大手の金融企業が札束を叩いて普及させてきそうな気がします。(妄想)

 

海外のコントラクトウォレットに関する参考になった記事

英語で記事を軽く探して見たのですが英語でも情報があまりありませんでした。

トップに出てくるのはイーサリアムの説明記事でした。

 

Ethereum-Mist Wallet User Guide:Chapter 2: Working With Contract Wallets

↑の記事ではマルチシグウォレットについて解説があります。

 

Argentの記事 – So many mobile wallets, so little differentiation

↑Argentが銀行のサービスに例えてArgentのコントラクトウォレットについて説明しています。

 

Argentの記事を読むと、将来的にウォレットアプリはブロックチェーンならではの強みを生かしながら銀行サイトの機能を模倣していく流れになっていきそうです。

 

コントラクトウォレットとは まとめ

コントラクトウォレットとは まとめ

従来のウォレットにスマートコントラクトがデフォルトで備わっているものがコントラクトウォレットでした。

従来のウォレットより便利でわかりやすく、将来は銀行サイトのように使えるようになりそうな見通しということを解説しました。

 

ライトニングネットワークやPlasmaのような少額決済の技術が本格稼働すればArgentのようなアプリと連携してより自然に使えるようになっていきそうですね。