
そんな人へ記事を書きました。
この記事では、ビットコインの限界を乗り越えるために創意工夫してきたプロジェクトや人を紹介する記事です。
スケーラビリティ問題の基本から実際にどのような文脈でライトニングネットワークまでが誕生したのかを簡単にわかるように解説しました
草猫店長の目次ノート
ビットコインのスケーラビリティ問題とは
ビットコインはご存知のように10分間に1度のブロック生成、1MBの容量です。これはおよそ3000人分の取引履歴しか保存できないサイズです。
世界中でもっとも有名な仮想通貨であり、これから70億人を超える人へ向けて普及を目指した仮想通貨にしてはとても少なすぎで、時間の問題で誰もまともに送金できなくなることは誰もが予想していました。
この仕様上は頭打ちになる問題をスケーラビリティの問題と読んで2018年頃はよく話題になりました。
理想は同じだが解釈の違いで分裂する開発者
ビットコイン開発者の間で、解決策について議論がなされましたが、結論がなかなかでませんでした。
一方で潔く仕様を変えるべきでそれこそがサトシナカモトの意志を継ぐことになるという革新派の人達が現れました。
革新派で代表的な1人であるはアマウリ氏(Amaury Sechét)はビットコインABCという名前で活動していました。
保守派とビットコインABCなどの改革派で大まかに別れた開発者のコミュニティでいよいよ意見が混じり合うことはなかったため、2017年8月にBTCの仕様を変更したビットコインキャッシュがハードフォークされました。
(ハードフォークとは何かついての詳細の記事を読む人はこちら)
その後、難易度調整アルゴリズムや、OPコード、最大容量などを変更しながらビットコインキャッシュは別路線で成長していきました。
現在は1ブロックにつき32MBの保存をできます。



今となっては32MBだとマイニングする人達がブロックチェーンのこれまでの取引履歴(フルノード)を保存するための容量が大きくなったり、ブロック生成時の32MBの情報を瞬時に受け取れる通信環境をもった業者しかマイニングに勝てなくなるので1MBにまで下げていて正解だったと思うにゃあ。
Segwitで見えた希望の光
ビットコインキャッシュを尻目に、ハードフォーク反対派の人達でビットコインのブロックチェーンにある署名部分を専用のエリアへ移動して容量を節約する手法を生み出しました。
それがSegwitと呼ばれるものです。2015年ごろにPeter Wuilleが発表した手法です。
Segwitでは、ブロックチェーンのトランザクションID内に入っていた署名データを、witness領域(署名領域)へ移動させてブロックとは別のところで保存することにしました。
署名データは必ずしもブロックの中へ入れなくても整合性がつくためでした。
このおかげでこれまでの1.7倍のトランザクションをブロックの中に組み込むことができるようになりました。
Segwitを発展させるプロジェクト
そしてSegwitの不要な部分は別領域に置いておくという応用技をさらに応用させてLightning Networkの技術が生まれました。
2016年にBlockstream社のジョセフ氏(Joseph Poon)とタダイ氏(Thaddeus Dryja)が発表しました。
Lightning Networkはセキュリティや分散性をある程度、犠牲にすることでVISAやマスターカード並に高速決済を可能にする技術です。
なぜ可能になるのかというと、Segwitと同様にお金のやり取りはブロックの外で行うためです。
そしてお金が流れ終わった後のデータのまとまりだけをビットコインのブロックチェーンに流すことで整合性をつけています。
セキュリティや分散性を犠牲にしているため、あくまで「少額決済」に特化して開発が進められています。
(現実は厳しい? ライトニングネットワークの仕組み をメリットデメリットと共に図解説でライトニングネットワークの詳細がわかります。)
続く創意工夫のプロジェクト
Segwitと続き、Lightning Networkが生まれましたがそれらと並行してビットコインのスケーラビリティを解決するためにサイドチェーンと呼ばれる技術開発も進んでいます。
Liquidプロジェクトが特に有名かと思います。
Liquidではビットコイン上にサイドチェーンを作り、取引所に特化した機能を開発しています。
サイドチェーン内のBTCの名前はL-BTCの名前になっており親チェーンであるビットコインと交換することができます。
(図解つきサイドチェーンの詳しい仕組みに関する記事はこちら)
LiquidプロジェクトはBlockstream社によって進められています。
この会社は2014年頃より、ビットコイン開発者で有名な暗号学者であるドクターアダム氏(Dr. Adam Back)が設立しました。
次にRootStockがスマートコントラクトを実装するための技術をビットコイン上で実現するためのサイドチェーンを開発しています。
(スマートコントラクトの仕組みって改めなんだっけという人はこちら)
LiquidとRootStockもまだまだ道半ばな印象ですが、どちらも実際に使えるレベルになるとビットコイン一強の世界が訪れそうな予感がしますね。
ビットコインのスケーラビリティ問題解決を目指した人達 まとめ

このように、色々なスケーラビリティの問題が過去の文脈に沿って行われました。
ハードフォークなども、元を返せばサトシナカモトへのリスペクトする方法の価値観の違いから生じたのかもしれません。
どちらも同じようにビットコインに対する思いは強くリスペクトしていたように思います。
これまでアルトコインはビットコインのスケーラビリティの問題をうたって増殖してきましたが、ビットコインのスケーラビリティがいつの日か無制限になる時、ほとんどのアルトコインは淘汰されていくのではないでしょうか。
また、新しい技術が派生などすればこの記事に追加していきたいと思います。
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