Dappsといえば一番有名なもので分散型取引所がありますがこの記事を読んでいる人でも分散型取引所のことを知っている人も多いと思います。
ちなみにDAppsとは 分散型アプリケーション という意味ですね。
今回はDAppsでもある分散型取引所との関連の深い0xについて解説していきます。
「0xって既にある分散型取引所と何が違うの?」
「トークン交換のための便利な規格らしいけど、他の規格と何が違うのかわからない」
そうした声もあるかと思います。
0xは分散型取引所のプロジェクトではないのですが、分散型取引所と大きく関わっていく仮想通貨になります。
0xは今までの分散型取引所には “ ある “ 問題点があったのですがその問題点を解決してくれる仮想通貨です。
この記事を読めばどういった点で0xが分散型取引所と関わっていき将来的にどのようになるのかを掴むことができるようになります。
それでは解説していきます。
❷. 実稼働しているプロダクトがじわじわ増えており次世代のスタンダードプロトコルになり価値が高まる
❸. 英語圏でない国でも分散型取引所が普及するきっかけになり価値が高まる
❹. 他のプロトコルに代替えされる可能性もある
草猫店長の目次ノート

0xとは?
0xは理解すれば簡単ですが、プロトコルの部分なだけであり少しややこしいですね。
0xは0xProjectの仮想通貨です。0xはイーサリアムベースの仮想通貨です。
そのためイーサリアム及びイーサリアムでできた仮想通貨を中心にしかやり取りできません。
(今後、クロスチェーンとの関わり次第で変わる可能性はあります)
ちなみにトークンの単位はZRXです。
0xの何が嬉しいのかと言いますと、今まで分散型取引所につきものだった2つの問題を解決してくれるプロジェクトの仮想通貨であるところです。
- 分散型取引所の流動性の問題
- 手数料が少し高い
「1の分散型取引所の流動性の問題」を解決するための手段として、リレイヤー(中継者)という概念が出てきます。
リレイヤー(中継者)を集めることにより流動性の問題を解決してくれます。
リレイヤー(中継者)という概念がちょっと理解をややこしくしているのかなと思います。
リレイヤー(中継者)というのは0xの独自の表現ですが、要するに「リレイヤー=参加者」に近いです。
参加者が増えるほど流動性が高まりますよというのは当然のことですね。
後でも詳しく解説します。
「2.手数料が高い」を解決するために、0xでつくられた取引所もしくは0xを実装できた取引所はイーサリアムでつくられたトークン(仮想通貨)を無料で交換できます。
0xのストーリー
0xの創業者はイーサリアムの開発に携わっていたそうです。
イーサリアムが稼働する間に、取引所や仮想通貨をやリとりするサイト間で流動性の差が生じてしまいた。
その結果として、流動性のないサービスは利用されなくなってしまうようなことがありました。
そうした問題があったので、色々なアプリの中で仮想通貨の交換がようにするために0xは2016年10月から開発が始まりました。
0xの基本情報
![]() | |
コイン名 | ゼロエックス |
略称(単位) | ZRX |
公開日 | 2017年 8月 9日 |
コイン上限枚数 | 10億枚 |
ツイッター | @0xProject |
承認方式 | PoW(Proof of Work) + PoS(Proof of Stake) イーサリアムベースのトークン |
公式HP | 0xの公式ページ |
コインマーケットキャップの情報
0xの特徴
0xの役割を簡単に説明しました。
次に0xが技術的にどのような特徴があるのかを解説していきます。
流動性の問題を解決してくれる
0xは分散型取引所の取引高や売買数が少ない問題を解決してくれる 仮想通貨です。
仮想通貨の中でもイーサリアムベースの仮想通貨に絞っています。
取引高や売買数が少ない状態を流動性が低いと呼ばれています。
流動性が低いと何が問題なのかというと、売り手と買い手で大きく価格の乖離が生じることがあります。相場が正しく反映されないことが起こります。
これは売買の効率が悪くなるということですね。
ですが0xを用いることで、色々な取引所の取引高や売買数などを全部まとめて一つの結果に集約してくれます。
例えば、革新的なのに出来立たばかりで流動性が低いせいで利用されないような取引所でも正しい価格を反映できるようになります。
A取引所の流動性が 80 でB取引所の流動性が 20 であるとします。
AとBの取引所の流動性にばらつきはありますが、それぞれが 100 の流動性あったとして集約して反映してくれるようになります。

ここで言う取引所は「分散型取引所」のことを言うにゃあ。知っている人も多いと思うけど、分散型取引所は組織に管理されずに自動で動いてくれる取引所だにゃあ。
組織に管理されないおかげで詐欺のほとんどの原因であったヒューマンエラーが避けられるにゃあ。
有識者の間では次の世代の取引所という認識で通ってるから期待は大きいけど、流動性が少ないせいで利用者は全体でかなり少ないにゃあ。

分散型取引所の中で一番、取引高の多いIDEXですら全部の取引所の中で80位台の取引高しかないんですね〜(執筆時)
逆に0xが出てきてこれから取引高ランキングの 80位台 からもっと分散型取引所が利用されるようになる可能性が高いです。
そこで0xベースの分散型取引所が利用されていけば、0xのトークンそのものは交換されないまでも、0xの期待は膨らんで価値は高まっていきます。
買うとすれば人気のないうちに手をつけるべきではないでしょうか
リレイヤーを理解して0xは取引所間のハブになることを理解
先ほど流動性の説明をしました。次は流動性を確保することに貢献してくれるリレイヤーについて解説したいと思います。
流動性を確保するためにはたくさんの取引所をつなげた方が良いです。
0xでは、0xを使ってかもしくは実装された取引所同士(トークンが売買される)をつなげてくれます。
リレイヤー(中継者)とは簡単にいえば0xを使ってつながったアプリのことを指します。
もちろんアプリとはほとんどの場合で取引所になります。(その他の場合はゲームのDAppsなど)

集約された上で注文内容が反映される仕組みです。
つまり、0xを使って開発されたA取引所、B取引所、C取引所のそれぞれがリレイヤー(中継者)ですね。
一旦、A・B・Cの取引所でトークンの注文が入ったら0xで集約されて反映されるようになります。
A・B・Cの取引所に加えてD・E・F・G取引所とどんどん増えるほど集約されていきより、正確な集約ができるようになります。
そうすると小さな力のない取引所でも流動性を確保して回せるようになるという仕組みですね。
ちなみにイーサリアムベースの仮想通貨とはイーサリアムの機能や規格を利用して作られたトークンと呼ばれる仮想通貨に当たります。
有名なイーサリアムの規格に ERC20 や ERC721 というものがあり、全部合わせると 98000種類 以上のトークンが生成されています。

トークン間の手数料を無料にする仕組み

次にトークン間の手数料がなぜ無料になるのでしょうか。
その理由は単純に手間が省けるからになります。
何の手間が省けるのかというところを説明します。
手間とは従来の取引所では別のトークンへ変換する際に、一度イーサリアムに変換する必要がありました。
Aトークン→イーサリアム→Bトークン
イーサリアムに変換してから別のトークンに持っていくと手数が増えます。
仮想通貨が動くほどマイナーが承認しなければならない工数が増えますね。
この流れをERCの規格(ERC20やERC721)を各規格毎にまとめる中継地点をつくり、中継地点内で交換することで手数料を無料にすることを0xで可能にしました。
Aトークン→Bトークン
へと直接トークンを交換することができるということですね。
開発者に優しい 0x と CodeSandbox

0xのライブラリである「0x.js」があるのですが、環境構築をせずに動かしてみることができます。
CodeSandboxと呼ばれるWebサービス上で環境が整った状態で「0x.js」を使うことができます。
ブラウザ上だけでMetamaskと連携してテストネットと接続できたりできます。
開発者にとってはとっかかりが楽になりますね。
リレイヤー(中継者)には報酬がある
0xを採用して取引所などをローンチすればあなたも晴れてリレイヤーになります。
リレイヤーになると、報酬がもらえるそうです。
この報酬がいわゆるユーザーの手数料になっていくのですが、従来の分散型取引所よりも手数料はやすくなります。
創設者は報酬がもらえ、ユーザーは今までよりもさらにやすく分散型取引所を利用できるのでみんなにとってお得ですね。
日本人で0xを使った人がいる
本日リリースしたZooMeXの解説記事を書きました。
0xエコシステムの中でZooMeXがどのように動いているか書いています。https://t.co/8lD5Nu0XKY— Osuke (@zoom_zoomzo) 2018年3月8日
Gunocyで働いており、日本人のブロックチェーンの技術的なブロガーの中で一番わかりやすいOsukeさんです。
ERC20交換に特化したZooMeXという分散型取引所を試しにローンチしています。
取引が高速になる
従来よりも工数が減り、イーサリアムとは別のところ(オフチェーン上)で処理を行えるので高速で取引を行うことができるようになります。
0xの実用例 (実装予定も含めます)
もちろん国内だけでなく、海外の方が実用例は豊富です。
DDEX

0xベースの代表的な分散型取引所です。
Argon

Argonは世界の問題の解決を加速させるプラットフォームです。
組織間のプロジェクトの国境の壁をなくすために機能を開発しています。国を超えると国同士の様々な違いにおける諸問題の壁でプロジェクトを進めることが困難になります。
プロジェクトの管理をブロックチェーンで自動化することで管理者をなくし、プロジェクトを動きやすくすることを実現します。
Auctus

退職金の管理をしてくれるプラットフォームです。
ロボアドバイザーを通じて仮想通貨と法定通貨の両方で資産を管理してくれます。
Augur

0xを知っている人であれば有名かもしれませんが未来予測のプラットフォームです。
例えば明日の天気を占い、雨か晴れかでベッドします。当てたらお金がもらえるといういわゆるギャンブルのようなことを開催できます。
bZx

bZxは0xプロトコルをベースにした証拠金のサービスです。
低リスク、低い手数料で証拠金を提供できます。
0xを使っているので分散型取引所の証拠金であっても流動性を確保することができます。
Chronobank.io

Chronobankは自分や相手のスキルを時間単位で売買するためのプラットフォームです。
日本にもタイムバンクと呼ばれるプラットフォームがありますが、それのブロックチェーン版です。
間に仲介業者がいないためマージンも少なくてすみます。
district0x

district0xは自立分散型自治区を構築するためのコミュニティや統治を行ってくれるプラットフォームです。
投票や評価、書き込みなど地方の自治区の掲示板のように扱えることができるようになるそうです。
地区と連動して扱えるプラットフォームのようになるようなので、地方活性化などの話と連動できるかもしません。
交換機能をハードフォークを必要とせずに実施できる
イーサリアム上でイーサリアムベースのトークンを交換すると無駄な工数が必要でした。
そして0xと同じようなリレイヤーの機能をイーサリアム上で実装しようと思うとハードフォークが必要です。
それに今までのシステムに追加してトークンを無料で交換できるように中継機能をつけるのは技術的にややこしくなります。
直接イーサリアムから突き放してイーサリアムから見てオフチェーンでトークンを交換できる0xは利便性から見ても優れています。
トークンを所有する必要がない
0xベースでつくられた取引所などを利用するために0xのトークンZRXを所有しておく必要はありません。気軽に使えるということですね。
他のトークン交換のプロトコルとの違い
他にも0xのようなプロトコルがあります。それぞれの違うポイントをまとめてみたいと思います。
AirSwap

AirSwapはトークンを「交換すること」に特化したプロトコルです。
0xは従来の中央集権的な取引所と同じようにトレードも楽しめるような「取引所」へのプロトコルを想定してつくられています。
0xはリレイヤーにインセンティブを与えるために手数料がかかりますがAirSwapは手数料がかかりません。
KyberNetwork

クロスチェーン(異なるブロックチェーンの間をつなげる技術)での交換に使われるプロトコルです。
0xが分散型取引所を作りやすくしてくれることと、AirSwapの交換を容易にしてくることに特化しているのとはまた違います。
Bancor

バンコールは0xよりのプロジェクトです。
0xと似たように仮想通貨の流動性に焦点を当てています。
ただし、0xの場合は流動性のある取引所を簡単につくられることに力点を置かれています。
詳細はこの記事では省略しますがBancorは新しい基軸通貨を目指しているところが大きく異なります。
ビットコインを超えた仮想通貨を目指しています。
流動性の格差をなくす縁の下の力持ちのような仮想通貨として王者を目指している野心的な通貨ですね。
QASH

少し変化球ですがQASHを取り上げてみます。
世界の取引所の取引を一つに集約するオーダーブックを今も開発中なのはQUOINE社が発行したことで有名なQASHです。
QASHのプロジェクト名はLIQUIDと呼ばれます。
世界各国の流動性の差がでてしまい、住んでいる地域で純粋な相場で売買ができなくなってしまいます。
地域での格差がなくしてしまおうというプロジェクトがQASHのLIQUIDプロジェクトですね。
思想は0xなどに近いものがあります。
詳細については下の記事に書いています。
0xは流動性に格差のない分散型取引所を誰でも作れるようにします。
一方でQASHは流動性に格差のない最強の取引所をQUOIEX社が作ろうとしている(はず)イメージになります。
また、0xの場合は扱える仮想通貨がイーサリアムに限られています。
QUOINEXは様々な通貨に対応する流動性に格差のない取引所を目指しているようです。QUOINEX社の解説記事は下です。
0xのSNSなどでの評価
0xプロジェクトはエンジニアやジャーナリストよりの人に期待されているプロジェクトです。Twitterでどのように語られているのか取り上げてみました。
0xプロトコルを使ったBloqboardがメインネットで稼働。
ERCトークンをレンディングをできます。
多分、DEXはこういう「DEXでしか取引ができない金融商品」の中から何かヒットして広まる。
「どうしても分散型がいい」という人は少ないし、入り口はそちらだと思う。https://t.co/hOnmQo4cmZ— Junya Hirano 平野淳也 (@junbhirano) 2018年6月20日
お!またすごいのが動き始めた。イーサリアムと0xで分散型金融サービスを実現するプロトコル「dYdX」。本格始動したら世界変える系。 / dYdX Launches on Testnet – dydxprotocol – Medium https://t.co/3zBthGsk6e
— イケハヤ@ブロガーズギルド (@IHayato) 2018年6月11日
0x系のDEXたくさん出てきてる!
なんというか取引手数料なし、KYC不要ってだけで冷静に既存の中央集権の取引所よりずっといいよなあhttps://t.co/zP1vMwiGr1 pic.twitter.com/cOaB3viJN3
— Koishi (@kitraum) 2018年7月2日
0xは日本のウォレットアプリで管理できる

「0x」はイーサリアムベースのERC20トークンですので「LedgerNano S」はもちろんですが日本産のウォレットアプリにも保管できます。
GINCOというアプリで実は保管できます。最近、対応したようです。
GINCO自身が将来的に分散型取引所のサービスを始めるために開発をしています。
0xのトークンZRXを購入できるようになるかもしれません。
GINCOはコールドウォレットではありませんが、信頼できるホットウォレットです。
自分の端末に秘密鍵を保管するためGINCOの運営者の方でセキュリティミスがあったとしても第三者のせいでハッキングされません。
自分の端末やパスワード管理次第でセキュリティが決まりますのでその点はハードウォレットにほぼ近いかと思います。
大金を預けないのであればGINCOでも十分に使えます。
現在はiPhoneのみの対応です。
メールアドレスやパスワード設定なく始められますのでまずはダウンロードしてみてください
GINCOについて詳細を知りたい人は下の記事を参考にしてみてください
ハードウォレットで保管したい場合
ハードウォレットで保管する場合はLeder Nano Sが一番無難です。
XEMの保管もしたいのであればTrezorですね。
必ずAmazonなどの販売者が見えないところではなく正規代理店で購入しましょう。
Ledger Nano Sのハードウォレットの正規代理店の公式ページはこちら
ハードウォレットについて詳細は下の記事を読んでみてください。
0xの今後の動き
KyberNetworkとAirSwapに関してはお互いにフィールドが違いましたね。
現状では流動性が低いのと運営開始してから歴史が浅い分散型取引所は人気がありません。
ですが従来の取引所にはあの手この手でハッキングにあってしまい人が管理する上での限界点がありました。
今後は0xを通じて、売買に問題のない取引所が普及すればそれに伴い0xトークンであるZRXの価値も向上するかと思います。
0xの将来性 0xのまとめ
0xを購入するのであれば早めに購入する方が良いかと思います。
- ボラティリティは控えめ
- 普及後はあまり価格変動が期待できない
- 実用例が増え始めた
0xでは直接、ZRXのやり取りはありません。またインフラ的存在のため直接的に価格へ影響を与えるニュースは多くないかと思います。
そのため「一気に下がってから購入しよう。」という手法は難易度が少し高いかと思います。
0xは現在、普及し始めていて、実用例も増えてきました。
それでも分散型取引所は世界で80位程度しか使われていません。
時間はかかるかもしれませんが高速で安くて安全な0xを使った取引所の方が従来の取引所よりも価値が高いのはわかるかと思います。
いざ、トップ10に分散型取引所が普及してから参入しても伸び代は期待できないかと思います。
0xの購入方法は下の記事に詳しく書きました。海外規制も踏まえた上でオススメの取引所を紹介しています。
良かったらシェアしてね♪ /