IIJ(インターネットイニシアティブ)といえば格安SIMでお馴染みの人も多いかもしれません。
それ以上にIIJはインターネット初期の時代を大いに支えた会社であり、かつ現在も先端技術を現実世界でつかえるレベルに落とし込んで事業を展開している会社です。
IIJとはどんな会社なのか、今後のデジタル決済との関わりまでを理解できるようにまとめました。
読むのが面倒くさいという人はバックサウンドにしながら聞いてみてください。
草猫店長の目次ノート
何がすごいのIIJ?
主に日本でインターネットのインフラを整えた会社がIIJです。
日本で最初に企業向けにインターネット(プロバイダー)を提供した会社で、インターネットの父と呼ばれる村井 純 教授(慶應)が特別技術顧問を果たした会社です。
99年にナスダックに上場して今でこそ大手企業の一つという印象を受けますが、創業当初はどベンチャーの会社です。
92年に創業してボロボロのオフィスからのスタートで99年までの7年間で上場するというのはインターネットが普及する以前の話なのでどれだけの異例なスピードだったのかは言うまでもありません。
インターネットの黄金期を支えた一つの会社ですね。インターネット接続の要となった会社です。90年世代に関わった人たちの知名度は低くないかと思われます。
主要取引先は公官庁や法人

6500社以上の公的、民間のそれぞれに顧客を抱えています。
多くの顧客のインフラを支えているため顧客離れも少なく比較的に売上に対する安定基盤があるのではないでしょうか。
これらの会社のお金の流れを管理するインフラを支えているのがIIJになります。

格安SIM(MVNO)を2007年から着手
携帯料金、日本は最も割高=シェア1位比較-米国など6カ国調査 https://t.co/eX8QdkjY25
最もシェアの高いプランの料金が大体月額7500円と、ニューヨークを抜いて世界一位のぼったくり度合いなのだそう
自分は格安SIMで月額1700円くらいなんだけど、もう大手三社のプランは契約する気にならん…
— あいろん@YouTube9.6万人感謝! (@ironboy1203_) 2018年9月20日
ご存知の方は少なくないかもしれませんが日本の携帯料金というのは非常に高いです。
今でこそ格安SIMという言葉が生まれて月3000円以下に抑えることができるようになりましたが、大手3社だけ見ると今でも世界トップクラスです。
それ(MVNO事業)を2007年の段階から手をつけたのもIIJでした。
IIJmioというサービスで現在も格安SIMサービスを展開しています。
先端技術の商品を導入していくIIJ
IIJの農業IoTの取り組みについての記事に注目が集まっているようです。これは2017年の記事になりますが、その後も実験は継続しており、実際に田んぼにセンサーを「植えて」データを取っています。https://t.co/ZTlGK04prJ
— 堂前@IIJ (@IIJ_doumae) 2019年3月19日
IoT分野はもちろん、先端技術を使った解決策を製品として展開している会社です。
医療分野→オンライン連絡帳
製造業→ スマートファクトリー、遠隔保守のクラウドサービス
金融→オンラインブローカー向けプラットフォーム、海外進出支援パッケージ
店舗→スマートデバイスの決済
配信→映像配信の総合的なインフラサービス
大手の中でもインターネット技術全般で先端技術を提供しているようです。
これだけではなく、学術機関ネットワークのインフラであったり、最近、成田空港や羽田空港の自販機で買えるようになったプリペイドSIMカードもIIJが提供しています。
仮想通貨をSuicaチャージと連携?

IoTから医療業界まで幅広くインターネット関連の事業を展開しているIIJですが、デジタル決済事業にも手をつけるようになりました。
デジタル決済事業の手始めとして仮想通貨交換事業としてのディーカレットを合弁会社として2018年1月25日に設立しました。
出資者の1会社であるJR東日本とコラボして、Suicaにディーカレット(IIJ)の技術経由でチャージできることを計画しているようです。
実現可能かどうかはまだわかりませんが、一つの大きな期待が寄せられています。

ステークホルダー(利害関係者)にとっては悪いニュース?
そして、IIJ株が急降下。。 pic.twitter.com/Nu0QjWbJz9
— Yu Numazaki (@Yu_Numazaki) 2019年3月26日
ディーカレットの発表に伴い、株価はなぜか下落しました。
株主からすると悪いニュースだったのか、仮想通貨に対するイメージの悪さだったのか他の要因だったのかはわかりません。
IIJがデジタル決済(仮想通貨)に参入することでどうなる
日本中のネットワークインフラを支えていることから、比較的に仮想通貨やトークンを簡単に導入できます。
IIJは企業向けにネットワークインフラを整えているので今までのインフラに載せる感じで導入すると思われます。
そう考えると、企業向けサービス x 仮想通貨 というコラボが一気に加速するはずです。
Suicaへチャージが今のところもっともインパクトが強いですね。
取引所を経由せずともコンビニでAmazonギフトを購入する感覚でビットコインを購入できるようになるかもしれません。
仮想通貨ならではの強みとして口座をいくらでも持てるのですが、そのおかげとキャッシュレスの加速化によってATMがなくなるかもしれないと言われています。
ATM関連の企業は対抗するのでしょうか?そこらへんは今後もウォッチングしていきたいところですね。
ディーカレットを中心に解説した記事は ディーカレットとは 【 楽天やYahoo!より実はすごい? 】にて解説しています。
IIJの今後
業績をまとめたPDFに問題点が表記されているんですが、そこから方針を簡単にまとめると
「日本の景気が悪くなるからそれに伴ってコストカットされていくよね。その分は売上が落ちてしまうかも。あとは伸びている事業の人手不足、不具合などで売上が落ちないようにしよう!」
といった感じになりそうです。
1) 国内景気の低迷、経済情勢の変化等による企業のシステム投資及び支出意欲の低下
2) サービスの利用が想定よりも進展しないまたは縮小することによる設備投資規模に対する収益性の悪化
3) サービスの中断等による当社グループのサービスへの信頼性の低下及び事業機会の逸失
4) ネットワーク関連費用、モバイル接続料、外注費、人件費等、費用規模の想定を超える増加及び変動
5) リソース不足に起因する事業規模拡大の機会の逸失
6) 競合他社との競争及び価格競争の進展
7) 投資有価証券、営業権等ののれん資産の価値変動及び実現

売上、利益共にマシマシといったところで好調に見えますね。
IIJ(インターネットイニシアティブ)ってどんな会社? まとめ

❷. 最先端技術を導入している
❸. 顧客が公的機関と民間企業の両方ともに大量に抱えていて6500社以上
❹. 売上は好調
❺. 元は貧乏どベンチャー企業
日本中の企業向けにインフラを支えてきたIIJが入ったというのはデジタル決済およびキャッシュレスの普及を望んでいる人たちにとっては好材料でしかないと思います。
暗号資産が普及する世の中をみたい人たちにとっては喜んでいいのかはちょっと悩ましいかもしれませんね。
せっかくビットコインやイーサリアムが育ってきたのにデジタル決済としての出口は法定通貨になってしまいそうですので。
しかしまだまだ仮想通貨が活かせる決済分野は残っていると思うので起業家精神のある人たちは方法を模索して一発当てられると思います。
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