【 ブロックチェーンの基盤を比較 】 中央集権型で非中央集権型でゆらぐチェーン

ブロックチェーンを比較してみた サムネイル

「社内で取り入れてみたいけどそれぞれの強みと特性を知りたい」

「ブロックチェーンなのに中央集権型のチェーンは取り入れる意味があるのか知りたい」

 

ブロックチェーンも種類が豊富になってきましたが、仮想通貨の投機のイメージが強いためブロックチェーンの違いについてはあまりイメージつきませんよね。

世界が変わると言われがちですが実際に企業や日常生活に溶け込むためにはまだまだ時間が必要です。

 

パブリックブロックチェーンこそブロックチェーンの強みを最大に活かせるというのはなんとなくわかっても、一企業や組織が利用するには規模が足りないケースも多いかと思います。

 

実際にブロックチェーンの企業でもあえて中央集権よりのブロックチェーンを採用しているところも少なくありません。

 

この記事を読んで、それぞれのメリットデメリットについて整理できるようになります。

分散型の未来についてより実用面でメリットについて解説したいと思います。

 

そもそもブロックチェーンのメリットとは何か

まずはブロックチェーンを取り入れるメリットは何かについてザックリ解説します。

 

ブロックチェーンを取り入れるメリット
❶. トラストレス(内部不正できない)

❷. データ保護に優れている

❸. 改ざん耐性に強い

❹. 故障しない

❺.作業(主に契約作業)を自動化できる

 

 

ブロックチェーンの種類によって上記のメリットの有無が変わってきます。

何かを優先させれば何かを犠牲にするトレードオフの関係がある程度はあります。

 

それぞれの専門用語などが分からない場合は詳細を読んでみてください。

+ ❶. トラストレス(内部不正できない)

❶. トラストレス(内部不正できない)

トラストレスとはなんでしょうか。直訳すれば信頼ナシとか、信用できないイメージになります。

ブロックチェーンの場合のトラストレスとは「相手を信用する必要がない」、つまり安全ということですね。

 

相手が連続殺人犯であってもテロ組織に所属していてもそのブロックチェーン上でのやり取りはただしく遂行されるのでトラストレスと呼ばれています。

+ ❷. データ保護に優れている

❷. データ保護に優れている

ブロックチェーンのネットワークでは主にトランザクション(取引)を捌いてくれる人たちが今までのすべてのデータを保管しています。

例えばマイナー1000人いるブロックチェーンがあったとします。

X国にロケットが墜落してしまい、1000人のマイナーが990人にデータもろとも減ってしまいました。

 

ですが、残り990人の全履歴のコピーが存在しているのでデータが消されるということがありません。

+ ❸. 改ざん耐性に強い

❸. 改ざん耐性に強い

ブロックチェーンにもよりますが、メジャーな仮想通貨に使われているブロックチェーンの改ざん耐性はとても強いです。

常に前回の取引処理を完了したことを表すハッシュ値を参照しながら新しい取引処理をチェックしていきます。

 

そのため、取引処理を完了していき、1万回、2万回と過去の処理を引きずりながら整合性をつける仕組みになっています。

5000回目の取引だけ改ざんするには、5000回目から2万回までのデータすべてを改ざんしてかつ現在進行形で生成されているブロックを追い越さないとデータの整合性がつけられません。(ハッキングできません)

+ ❹. 故障しない

❹. 故障しない

ブロックチェーンは何かの装置に依存しているわけではないので故障という概念はありません。

ただ、システムやアルゴリズムに則って動いています。

 

データベースのように劣化してしまったりすることはありません。

+ ❺. 作業(主に契約作業)を自動化できる

❺. 作業(主に契約作業)を自動化できる

ネットでのやり取りに信頼性を求めるのは難しいことでした。契約書を送るにしても途中で改ざんされているかもしれません。

無事に契約書を送れたとしても保管中に社内で裏切る人が出て改ざんされてしまうかもしれません。

 

不動産のようにアナログ書類のまま無駄な作業を要する業界では誰にも改ざんされずに契約書を処理できるものが必要でした。

 

ブロックチェーンの実用性の面で特に優れたところですね。

3種類あるブロックチェーンの強みと弱みとは

ブロックチェーンには3種類あります。

 

パブリックチェーン

プライベートチェーン

コンソーシアム型ブロックチェーン

 

この3つですね。

先ほどブロックチェーン全般のメリットを説明しましたが、各ブロックチェーンによって引き継いでいるメリットと引き継いでいないメリットがあります。

 

それぞれの違いと特性を説明します。

 

パブリックチェーン

ビットコインやイーサリアムをはじめとする仮想通貨はパブリックチェーンが採用されています。

世界中の不特定多数の人たちがトランザクションを処理してくれる前提でシステムがセキュアに支えられていくブロックチェーンです。

 

パブリックチェーンのメリットは以下の通りです。

❶. トラストレス(内部不正できない)

❷. データ保護に優れている

❸. 改ざん耐性に強い

❹. 故障しない

❺. 作業(主に契約作業)を自動化できる

 

先ほど紹介したブロックチェーンのすべてのメリットを持っています。一見これ一択なように見えますがデメリットはなんでしょうか。

 

パブリックチェーンの弱み
❶. 世界中のマイナーが必要

❷. 価格変動による不確定要素が大きい

❸. 利便性が悪くなりがち

世界中の人が使う分だけ、利便性を犠牲にしないといけません。その上、世界経済の動向などにも左右されやすいです。

 

最近は資本逃避先としてビットコインが選ばれていると思われる動きは増えています。

 

プライベートチェーン

 

プライベートチェーンのメリットは以下の通りです。

❶. トラストレス(内部不正できない)

❷. ▲データ保護に優れている

❸. ▲改ざん耐性に強い

❹. ▲故障しない

❺. 作業(主に契約作業)を自動化できる

 

「▲」マークはプライベートチェーンに依存する意味で三角マークにしました。

一つの組織が管理するのがプライベートチェーンでしたね。

 

一つの組織が管理するためデータベースとの違いがあまりないかもしれません。

ブロックチェーンならではの改ざんしにくさとか、あえてデータベースを使わない理由がある場合に採用されるものになります。

 

作業の「自動化」を目的とした場合には強みを発揮するかと思います。

 

プライベートチェーンの弱み
❶. 非中央集権としての利用用途にはならない

❷. データベースとの違いを見出しにくい

❸. 不正される可能性はある

 

コンソーシアム型ブロックチェーン

コンソーシアム型チェーンのメリットは以下の通りです。

❶. ▲トラストレス(内部不正できない)

❷. ▲データ保護に優れている

❸. ▲改ざん耐性に強い

❹. 故障しない

❺. 作業(主に契約作業)を自動化できる

コンソーシアム型ブロックチェーンはあらかじめ複数の組織や複数の人を決めて決まったグループでデータの整合性を確認します。

 

プライベートチェーンよりも組織に依存しないし、パブリックチェーンよりも非中央集権ではありません。

どの程度の規模感でバリデーター(データをチェックする人)を設定するのかで分散性が変わってきます。

 

コンソーシアム型チェーンの弱み
❶. 分散型、中央集権型のどっちつかずになる

❷. バリデータ内で政治的な問題が起こりやすい

 

パブリックチェーンでもコンソーシアム型な仕組みの暗号資産はある

EOSやLisk、Cosmosと呼ばれる暗号資産のプロトコルはDPoSと呼ばれる間接民主制のような承認方式が採用されています。

これらの暗号資産は保有している量=投票数のようになっていて、資産家であるほどバリデーターとして採用されやすくなります。

自演ももちろんできます。その代わり当選するための公約のようなものを掲げたりするため完全にコントロールできるわけではありません。

 

また、当選するバリデーターの制限度合いも違います。

EOSは21人

Liskは101人

Cosmosは100〜300人まで徐々に増やす

 

バリデーターの数が少ないほど高速処理も可能になります。

そのため、EOSは理論上は1秒間に10万件というVISAを凌ぐほどのトランザクション処理能力があると言われています。

しかも開発者は別ですがユーザーは無料で利用できます。

 

一方でバリデーターの数が少ないほど分散性(非中央集権らしさ)を犠牲にするため処理能力と分散性もトレードオフになりやすい傾向があります。

 

ブロックチェーンの技術が普及して、技術的な障壁が下がるまではバリデーターの数が少ない方が実用性があって良いかもしれません。

しかし長期的には一部の人に権力が集中してしまい、政治的な問題が起こりやすいのはバリデーターが少ない方であり、持続可能性は低いかもしれません。

 

コンソーシアム型ブロックチェーンの特徴

コンソーシアム型ブロックチェーンの場合は仮想通貨を発行しないケースが多いです。

もちろん実際のところ発行はできますし、リップルのようにプライベートチェーン型の仮想通貨もあります。

 

ですが、これまで企業がパブリックチェーンを取り入れなかった理由には価格変動のリスクが上げられていました。

すでにバリデーターが決められているコンソーシアム型チェーン(プライベートチェーンも然り)では、わざわざ法定通貨と交換可能な通貨と結びつける必要性はありません。

 

企業がブロックチェーンを利用する場合、大抵は自動化にあります。

自動で重要書類を改ざんできないように保存することによる作業コストの削減であったり人件費の削減です。

そのため通貨を発行する意味がそもそもないケースの方が多いかと思います。

 

あるとすればポイントサービスや地方サービスの充実とか、Facebook社のようなSNSがサービスを向上する目的で利用されるかと思います。

 

わざわざ通貨を発行して、1コイン1円以下の草コインと化してしまうと企業イメージも悪くなりそうです。

企業のブランディングのためにコインを発行したりなど、通貨を必要とする目的がなければない方が良いケースがあります。

 

企業がブロックチェーンを取り入れるメリット

先ほどの話と重複する部分がありますが、企業が取り入れるのであれば業務効率化がメインになるかと思います。

そこを強調するのは、ブロックチェーン=分散型社会の到来という図式やイメージがあると思うのですが、企業が取り入れるものは種類が違うよ。と言いたいわけです。

 

企業がブロックチェーンを取り入れることのメリットは自動化です。

 

国際的なやり取りで強い力を発揮します。

例えば契約書類は国々で常識が違いますよね。さらに人によって騙そうとする場合もあります。

 

一つのテンプレートで世界中がやり取りできる仕組みがあればいいのになあ。という場合にブロックチェーンは有効な解決手段になりえます。

 

私がエストニアで企業訪問したPrepayWayのような会社もそうですし、物流に関してはブロックチェーンがかなり期待されています。

 

他に具体例をあげれば物流なんかは特に”自動化”としてのブロックチェーンの活用が企業で盛んに取り入れられつつあります。

参考:100兆円超「 ブロックチェーンの物流業界 」は限りなく透明に近い物流か

 

ブロックチェーンの基盤を比較 まとめ

ブロックチェーンは分散性で知名度を上げましたが現実世界ではまだまだ課題が多いです。

そのため分散型社会というのはもう少し先かなと思います。

EOSのように現実に即した(高速のトランザクションで無料で使える)ものの方が普及に適していると思います。

 

今後も新しいブロックチェーンが台頭してきたら記事にしてみたいと思います。