ビットコインバブルとITバブルとの共通点を分析した

ビットコインバブルとITバブルとの共通点を分析した サムネイル
マッチョな男性
ビットコインバブルとITバブルがよく似てるって言われているけど実際どうなんだろう 

皆さんこんにちは。この記事では二つの相似点について色々と調べてまとめてみることにしました。

まずは下の画像をみてみてください。

BTCの「日足」とNASDAQの「週足」の近似を表す図

左のBTCは「日足」、右のNASDAQは「週足」で異なりますが特にバブル絶頂期の直前と直後の動きがとても似ているように見えませんか?

 

この記事では、ビットコインバブルとITバブルの崩壊の相似点を解説しつつ、将来の見通しについても少し触れてまとめてみました。

 

ビットコインバブルとITバブルの相似点

ビットコインバブルとITバブルの似ているところ

・チャートが似ている

・大衆の動きが似ている

・生き残っている銘柄が似ている

よくチャートが似ていると言われますが、それ以外にも、大衆の動揺の仕方だったり生き残った仮想通貨だったり、共通点が少なくありません。

 

逆に相違しているところ

ITバブルと異なるポイント

・マーケットサイズ

・バブルが崩壊するまでの期間

・情報の伝達スピード

 

ビットコインとドットコムバブルの天井のタイミングにおけるマーケットサイズを比較します。

・ビットコインは 8280億ドル

・ドットコム(NASDAQ)は 6.7兆ドル

およそ8倍ほど規模が異なります。

 

バブルが崩壊するまでの期間も異なります。

MarketWatch – Here’s how bitcoin is dwarfing housing and dot-com bubblesMarketWatchの記事を参考にします。

こちらがMarketWathcによるソースです。

MarketWathcによるソース

バブル天井に到達するまでの期間をわかりやすい数字で説明すると、灰色のラインであるビットコインはおよそ500日、NASDAQは1500日を必要としていました。

ビットコインはおよそ500日、NASDAQは1500日を必要としていたことを表す図

ざっくりした時間差で言うと3倍の時間が異なると言うことですね。

 

なぜ、これだけ時間差が生じるのでしょうか。それは情報の伝達スピードのせいだと思います。

テクノロジーや時代の変化の激しさは99年代のドットコムバブルと当たり前ですが現代は比ではありません。

 

バブルは噂が噂を読んで大きくなっていきます。ITバブルはアメリカのベンチャー企業を中心に広まりました。

ですが当時はインターネットをもっている家庭は多くなく、バブルの情報を得るのに時間がかかったと思います。

 

Twitterもなければ、Facebookも当然ありませんのでバブルが膨れ上がるまで時間がかかって当然です。一方でビットコインは世界中の人が新しい情報にアクセスできます。

 

バブルってそもそもどんな状況?

一般的に投資の対象となる資産が過剰に評価されている状況のことを言います。

 

経済学者であるハイマン.P.ミンスキー氏によると、

大きな価値の変化→ブーム到来→ハッピーなムード→暴落→混乱

この一連の流れがバブルの流れと定義しているそうです。

 

チャートの似ているポイント

チャートの似ているポイント画像

画像はビットコインとITバブルがマッチしやすいように尺度だけを弄ってマッピングさせてみました。

画像の通り、大まかな動き方は類似していると思われます。

ただし、時間軸がビットコインバブル(日足)に対してITバブル(週足)になっています。それに尺度も都合良く整えて見せているのでやはりその通りではありません。

 

ビットコインバブルに対してITバブルはおよそ3倍の時間をかけて崩壊していっています。

マーケットも8倍ほどITバブルの方が大きいです。

 

それでも、ビットコインバブル崩壊からおよそ80%下落したように、ITバブル(NASDAQ)も2年間かけて78%ほど下落しています。

 

特に似ている部分

バブル絶頂期の天井あたりの形はとても似ていますね。典型的なバブルチャートを描いているように思えます。

2018年始の時点ですでに海外アナリストたちは教科書に乗っているようなバブルとビットコインのチャートとを比較した発言をTwitterで行なっていたのは私もみました。

 

そしてバブル崩壊後にしばらく低迷期が訪れている点も似ていると言えます。

バブル崩壊後にしばらく低迷期が訪れている画像

傾向っぽい色のチャートはビットコインの方です。

ビットコインのこの低迷期は2019年始の動きです。記事を書いている2019年5月の段階で2018年末あたり(11月)の水準に戻ってきています。

 

バブル崩壊後の動きも似ている点がありましたね。

 

大衆の動きで似ているポイント

多くの人がダメな銘柄に手をつけたり、新しい考え方について過剰に期待しすぎていたりドットコムバブル当時と似ている点がいくつかありました。

 

ムーブメントになった考え方

仮想通貨で流行った考え方は”分散型社会”でした。

ドットコムバブルで流行った考え方は”ニューエコノミー理論”でした。

 

分散型社会とは、仲介業者の一切を排除して個人同士でピュアなやり取りが行える社会が到来するという考え方でした。

ニューエコノミー理論は、新技術で物流が発展してモノの交換にかかる時間が可能な限り0に近くなっていくという考え方でした。

 

分散型社会はこれまで仲介業者がなくなる→その分だけ分散型のマーケットが巨大になっていく、と言う考え方でその技術を提供している仮想通貨に投機する人が群れていきました。

ニューエコノミー理論では物流の発展していく→その分だけ物流の会社も巨大になっていく、と言う考え方でその技術を提供しているベンチャー企業へ投機する人が群れて行きました。

 

どちらも考え方そのものは近未来的で素晴らしいものだったことが言えますが、どちらも新しいテクノロジーが普及するまでの時間を考慮していない人が多すぎたと思います。

 

なんども例えられている言い方ですが、インターネットの普及に10年必要でした。

分散型社会(ブロックチェーン)の普及が1年で済むわけがありませんし、ニューエコノミー理論の浸透も1年で普及できるわけがありません。

“機会損失したくない”という恐怖が過剰に価値を高めてしまっていた結果はどちらも同じでしょう。

 

テクノロジーに興味がなさそうな人も参加してきた

ジョンFケネディ大統領の父親は、靴磨きの少年が株式市場の話を語りかけてき危機を察知して株を売却しました。

結果としてウォール街の大暴落を逃れた有名な話があります。

 

靴磨きの少年のように自然に暮らしていて触れる可能性がとても低そうな話をしていることはビットコインバブル時にも見かけました。

おじいちゃん、おばあちゃんがマイニングセミナーに参加してお金をボラれたというニュースが象徴的だったなと思います。

 

仮想通貨の技術であるブロックチェーンはややこしいし理解するのは大変な上に地味です。

あえて仮想通貨のことを「暗号通貨」という呼び方をする人たちの属性を見れば、あからさまにバブル期に声が大きかった人たちと違うことがわかると思います。

 

「暗号通貨」と呼ぶ人たちは仮想通貨が無名だった頃から支持していたマニアックな人たちなので「オタク」や「ギーク」な人が多いです。

 

生き残っている銘柄で似ているポイント

ビットコインというより、仮想通貨全体での話になります。

2017年度末はさまざまな仮想通貨が発行されました。しかし99%ほどは静かに価値を失っていったと思います。

それはITバブル時でも同様でした。

 

ニューエコノミームーブメントに乗っかって消え去ったベンチャー

Pets.com、Geocities、Webvan、Boo.com、Kozmo。

これらのベンチャー企業はITバブル崩壊とともに株価がゴミクズとなりました。

いわゆる流行だけで資金調達して、プロジェクトを完遂する前にすでに完遂した頃よりも大きな評価を得ていた企業です。

 

これらの企業は仮想通貨でいうところICOプロジェクトに近いです。

時流に乗ることは大切だったのかもしれませんが、それはすでにプロダクトを持っている企業がさらに躍進を遂げるために乗っかるものだったのではないかと思います。

その意味で今も価値を保ち続けているビットコインやイーサリアムは流行が来る前から地道に開発を進めています。

 

良い例えとしてAmazonが取り上げられるかと思います。1994年というバブルの5年ほど前から立ち上げられていました。

ITバブルに乗っかって立ち上げられた訳ではありませんね。そしてたまたま数年後にバブルが訪れたのでムーブメントに載っかりました。

現在ではバブルピーク時の天井の株価からおよそ17倍ほどの株価に成長しています。

バブルピーク時の天井の株価からおよそ17倍ほどの株価に成長

この先ビットコインはどうなるのか

Amazonはおよそ20年間で16倍にまで株価を高めてこれました。

ですがこれは現実世界に価値を提供してきたからです。

 

現状のビットコインはまだ現実世界の実需を満たしているのかは怪しいところです。

一方でビットコインの普及に関しては期待できるニュースはたくさんあります。NASDAQが仮想通貨の取引所を開設したことは何かの象徴なような気がします。

 

ETF・カストディ・ライトニングネットワーク。これらを共に普及させていければ長期的に価値を高めていけるのではないかと私は思っています。

詳細はビットコインは上がるのか?【 上がるための3つの重要点】を読んでみてください。

 

NASDAQの今後とビットコインの今後

最初の画面で崩壊後の動きもNASDAQ(ITバブル)とビットコインは近いと説明しました。

チャートの似ているポイント

仮にその延長線上であればどんな動きになるのでしょうか。

この調子であればそのまま右肩上がりになって一度、調整が入り、数年後にはバブル期の高値更新しそうです。

そのまま右肩上がりになって一度、調整が入り、数年後にはバブル期の高値更新しそうなビットコイン

しかし、2009年頃はリーマンショックの時期です。仮想通貨もリーマンショックの動きまで追従するのかは微妙なところだと思います。

仮想通貨もリーマンショックの動きまで追従するのかは必ずしもわからないの図

 

ビットコインバブルとITバブルとの共通点を分析した まとめ

ビットコインバブルとITバブルとの共通点を分析した まとめ
まとめ

・チャートの形状は似ているが規模や時間は異なる

・大衆の動きが似ている

・このままITバブルと同じ動きをしていきそうだがリーマンショックの動きまで同じになるのかは疑わしい

ビットコインが実生活の中で本格的に使われ始めてからが本当の勝負だと思います。

 

ITバブルとの共通点は多いですが、紹介していのはNASDAQで世界に価値を与え続けているベンチャー企業の集まりです。

早く実需を満たす段階になって欲しいですね。それまではやはり絵に描いた餅のように見られてしまっても仕方がないかもです。