ビットコインの消費電力量の増加は本当に持続可能ではないのか

凜とした女性
ビットコインのマイニング採掘量が2020年度以降に記録を更新してしまい消費電力量が凄いことになってるけど大丈夫なの?
マッチョな男性
ビットコインがこのまま大量の消費電力を消費してしまうと人類に必要な電力供給量がどんどん奪われてしまいビットコインのマイニングにいずれ厳しい規制が設けられてしまいビットコインも世の中も持続可能では無いのでは?

2020年度より再び上のような疑問が多くなってきているようです。

実際のところ、ビットコインの消費電力量はチリ一国分の消費電力量なみに消費しているといわれています。

BitcoinEnergyConsumption.comによると、2021年3月現在は83TWhを消費しており、チリよりもう少し多いカザフスタンの77TWhをひとまわり超えるほどに。

草猫店長
ちなみに日本は918TWhだにゃあ。
(グローバルエネルギー統計イヤーブックより https://yearbook.enerdata.jp/electricity/electricity-domestic-consumption-data.html)

VISAと比較したビットコインの消費電力量

statistaの統計より

よくビットコインの消費電力量がどのくらいのものかを比較する対象としてVISAカードとの比較が挙げられています。

上のように、ビットコイン1回のトランザクションは741KWhに対してVISAだと10万回のトランザクションで149KWhとなっています。

比較すると1トランザクションに対して50万倍ほどの消費電力量が必要ということになり非常に無駄なように思えてきます。

最大のマイニング国家である中国は火力発電がメインである

ケンブリッジ大学の各国におけるビットコインのマイナーの割合を計算した推計によると中国がおよそ全体の65%に匹敵するとのこと。

https://cbeci.org/mining_map/

中国は火力発電を多いに頼っている国であり、最近はオーストラリアからの石炭の輸入を止めて停電になってしまうほど石炭の燃料に依存しています。

そのマイニングの全体量である83TWhのうち66%(55KWh)を消費しているとなるとかなり環境に悪影響を与えていると感じられるのでは無いでしょうか。

しかし単純に消費電力量だけで環境破壊を決めつけることはできないビットコインマイニング

ここまでくると、「ビットコインって温暖化にとって悪影響しか及ばさないのかなあ」と思えてきます。

地球の資源は有限であり、温暖化による世界のリスクは年々増していっているのもある程度は本当のことでしょう。

ですがマイニングは再利用可能エネルギー分野にも大きく進出していっている側面があります。

電力余りの問題を解決するマイニング

coindeskの記事の一部を引用すると、中国の四川省では電力あまりの問題があり、捨てられるはずの電力があるとのこと。

中国四川省は毎年、夏の雨季に水力発電の電力が余るという問題を抱えていた。

例えば、四川省の別の地域の政府は、同地域の水力発電所は2017年だけで415億kWhを発電し、163億kWhが無駄になったと以前、述べた。

https://www.coindeskjapan.com/59143/

当然の成行としては電力が余っているタイミングで電力を販売しても格安になってしまうため捨てられるはずのエネルギーをマイニングへ費やせば業者としても御の字になるはず。

アメリカの天然ガス発電所も余剰電力でビットコイン採掘を始める

ニューヨーク州の発電所が余剰電力でビットコイン採掘事業。1日あたり5.5BTCを掘り出す – engadget

engadgetの記事によると1日あたり5.5BTCを発掘できるほどのビットコインの設備をニューヨーク州の天然ガス発電所が設置したそうです。

「電力コストは十分安く、実質的に生産コストだけであり、他の電力関連のサービスで相殺できる」

とのコメントからみても採算はあっておりビットコインが今後、暴落したり思わぬリスクはあるかもしれませんが現状では無駄になるはずだった電力を有効活用することに成功しています。

資源が廃棄されてしまう問題にマイニングを活用

天然ガスの発電所ではガスを発電する際に使用できないガス(フレアリング)が発生して仕方なく焼却処分しており環境問題となっています。

ガスをそのまま大気へ逃すことは焼却するよりも環境へ悪影響を与えるとされているため焼却するしか他ないところ、ガスのエネルギーをビットコインのマイニングへ移行するプロジェクトが現在立ち上がっています。

再生可能エネルギーや自然エネルギー、余剰エネルギーの分野で今後もマイニングが活用されていく可能性

上述したようにマイニングは捨てられるはずだったエネルギーを資産価値に転換することが可能になっているため、経済合理性がないせいで捨てられていた、無駄にしていたエネルギーを活用できるようになっています。

草猫店長
草猫店長も過去にエコ関連の製品を販売していたことがあるけれど、実際に大きな効果のあるエコな製品であったとしても費用対効果が合わないと取り入れることはできなかったにゃあ。

規模によるけれどマイニングは電力さえ供給できればあとはマシンを走らせるだけで設置できるから複雑なエコ製品よりもシンプルに設置しやすいのではないかにゃあ。

基本的にエコな製品は費用対効果で取り入れるかどうかが決められます。

そして大抵は「10年後には元が取れます」と時間の経過が必要です。

一方でビットコインマイニングは資産を生み出すことが唯一できる仕組みなので従来のエコ製品では不可能だったアプローチで活用することができるためある意味では画期的なエコ製品になることも可能です。

草猫店長
少なくとも火力発電で生成された電力だけを大量に扱うようなことは今後なくなっていくと思ってるにゃあ。

なぜならマイニングは熾烈な競争をしていて電力0円を基本的に目指して動いてるからだにゃあ。
つまりマイナーの極地点は0円マイニングになるにゃあ。

VISAの電気代と全く比較できないビットコイン

VISAは基本的に決済だけをになっているシステムです。
しかしビットコインのブロックチェーンが支えているものは決済だけではありません。

ビットコインが機能として提供しているものをいくつかあげるとすれば、
送金システム、透明性の担保、通貨の発行、通貨全体のセキュリティ、100%のサーバー稼働率(もちろん分散型ノードであってサーバーではありませんがシステムダウンしないことを言いたい)などでしょう。

一方でVISAが担当しているのは「送金システム」とあとは「99.99~%のサーバー稼働率」など。

しかし法定通貨そのものを管理しているわけではありません。
不透明な法定通貨も意図せずして取り扱うし、法定通貨そのものを発行もできませんし、決済されるお金以外の法定通貨のハッキングを防いでくれたりしないですよね。

要するに国家や銀行レベルで行われている法定通貨についてくる業務をVISAは担当していません。しかしビットコインは自律分散的にそれを行っているところに大きな違いがあります。

法定通貨が国際送金をする際にコルレス銀行をいくつも挟んでマネーロンダリングがないのかどうかを確認してようやく送金するまでに必要な施設、人件費、管理、それらに付随する諸経費や環境資源の消費などなど、電気代だけでは目に見えないコストが無尽蔵にあります。

上のような法定通貨全体にかかるコストを電気代に置き換えて比較対象とするのであれば初めてフェアな電気代の比較と言えます。

ビットコインをVISAと比べて「やっぱり電気代無駄だからビットコインは使えないや」とバッサリ切り捨てするのは初心者に陥りやすい勘違いですし気持ちはわかります。

しかしそれを鵜呑みにする人がいるのでビルゲイツのような法定通貨側の人が「気候に良い影響は与えない」みたいなことを発言してビットコインの浸透を妨げる結果につながります。

ブロックチェーンが革新的であるところはトラストレスな透明性を担保したまま他人とやり取りできるところにあります。
そして大抵のブロックチェーンは残念ながら中央集権との中間地点でしかありませんが唯一、不特定多数のマイニングで動いており他のテコ入れがほとんどないビットコインだけは仮想通貨の中でもっとも分散的で透明性を保った仮想通貨と言えます。

格差社会は不透明なお金を取締るためには限界があることで生じています。タックスヘブンなどもそうです。

ビットコインの用途とVISAの用途

VISAは基本的に決済の用途のみですが、ビットコインはもう少し違う用途で利用されています。

「送金」「価値保存」「スマートコントラクト(カラードを利用した機能)」

がメインでしょうか。

実際のところ、送金は技術的にまだ進展がもう少し待つ必要があるため実用的ではまだないでしょう。
しかし近い将来、VISA並に高速化できるようライトニングネットワークの技術が少しずつ実装されていっており今のところは順調だと思います。決済でも活用されるのは時間の問題でしょう。

価値保存に関しては一番ビットコインの用途として利用されていると思います。

デジタルゴールドと例えられていますが、本物のゴールドと異なり場所を選ばないため盗まれるリスクが非常に低いです(ネットリテラシーで差は開きますがリアルでの管理も同じようなもの)

ちなみにリアルゴールドを保管するための場所や金庫を用意するための製品にも当然ながら間接的ですが電気代がかかっているでしょう。

あとはビットコインでもほんのちょっとしたスマートコントラクト機能であれば実装できます。
イーサリアムをあえて使わずビットコイン側で実装するというケースはあまりないですが一応機能としてできるしブロックチェーン上残した記録を可視化するようなアプリを作成している人もいます。

このようにメインの用途は価値保存であり決済がメインのVISAと比較するのはそもそも焦点がずれていると言えるのではないでしょうか。

それでも絶対量の電気代がかかっているのは本当の話

しかし、上述したようにビットコインの機能は決済だけで説明はつかず簡単には無駄で不要で非効率な電力消費とはいえません。

一方でビットコインの消費電力量がチリやカザフスタン並に大きいのは推計が間違いでなければ事実でしょう。
ただし、フレアリングの削減に貢献した分や捨てられていたはずの再生可能エネルギーを用いられている消費電力量の分は計算から除外する必要はあると思います。

そしてそうした健全な方法の割合を増やしていこう。というのを本当の議題においてメディアが仕事をしてくれると本当の意味で環境にやさしいマイニングが世に増えることに繋がることでしょう。

同時にマイナーの業界でも世界中の電力会社がマイニングを低コストで回収も素早く導入できる仕組みを作っていくような事業がどんどん生まれてくると良いのではないでしょうか。

個人レベルでも暖房代わりにサーバーにマイニングさせて暖をとる強者がいますが、日用品にマイニング機能がセットになっていたりする未来も面白いものです。

そのように変革していくことを推進していくと良いなあと思い記事を締め括ります。