ドイツ銀行破綻と資金逃避先としての仮想通貨について記事をまとめています。
私の調べた限りでは、今のドイツ銀行は墜落中の飛行機で、上手な着地点を探している状態だと思います。
最悪のケースでは連鎖的に企業倒産が生じてリーマンショックの比ではない不景気が訪れて、法定通貨の価値が見直されるレベルになり得ます。
①2016年次に中国(海航集団)が筆頭株主になった。中国側も10兆円の負債を抱えている
②リーマンショックのようにAIGが救済できる金額を超えている(ドイツGDPの10倍)
③CDSの残高が7500兆円ある上に回復する見込みがない(各国金融機関とも結びついている)
これまで私は仮想通貨に関する記事をそれなりのボリュームで300記事を超えて書いてきた経験に基づいて書きました。
ドイツ銀行が破綻した場合はどの程度、仮想通貨(暗号資産)が資産の逃避先として機能するのかについてイメージできるようにまとめました。
草猫店長の目次ノート
仮想通貨(暗号資産)が逃避先となる理由
「どこの法定通貨なら安心」というレベルではない惨事になるため(世界経済を巻き込む)
隠したり換金する利便性が高いため
過去の金融危機で相関して上がっているため
〜2017年度までと異なり、仮想通貨が消滅するリスクはほぼ0になったため
「ドイツ銀行よりも以前に、ビットコインおよび暗号資産(仮想通貨)って資産逃避先として使えるものなの?」と疑問に感じている人も少なくないと思います。
それに関しては実際に世界で起こった事実としてはケースはまだ少ないにしても現在進行形で逃避資産として利用されているという事実があります。
先進国ではまだまだ投機で保有している人が多いですが、経済的に弱い国は治安も悪いケースが多く、現物で保有しておくよりも、デジタル通貨の方が良い場合があります。
日本人は経験していませんが、腐った肉を買うために行列に並ぶようなことは現実に起こっています。
強盗だと通報されて駆けつけた警察からもたかられるようことも起こっている世界です。
治安が悪いと警察も機能しませんからね。
金融危機と仮想通貨が関連したタイミング
2008年 8月 リーマンショック後の不景気
2013年 3月 ギリシャ危機
2017年 7月 ジンバブエ
2018年 8月 トルコリラ暴落
2008年 8月 リーマンショック後の不景気
ビットコインが誕生したタイミングです。
ビットコインの起源には金融危機の背景もあって、2008年は880万人がアメリカで失業するひどい年でした。
ビットコインで世界で最初に生成されたブロック(通称:genesis block)にはThe Times誌のある見出しが刻まれています。
「The Times 03/Jan/2009 Chancellor on brink of second bailout for bank」
財務大臣による2回目のイギリスへの救済支援金に関する見出しです。
価格そのものには反映されていませんが、金融危機に対するメッセージ性(真意は定かではない)が最初から備わっていました。

2013年 3月 キプロス危機

キプロス危機で預金没収が起こり、それに伴いビットコイン価格が3倍になりました。(2013年 3月)
キプロスはタックスヘイブンの土地として有名な国でしたが、デフォルトしそうになったため、IMFから支援を依頼しました。
しかしそのままでは支援は出さない、ということで預金者の10万ユーロ以上の預金者は9.9%の没収、10万ユーロ以下は6.75%の没収になりました。
国民からは銀行に押し寄せる混乱になり、2週間は預金閉鎖されました。
もともとはリーマンショックに結びついています。
リーマンショック以降の2009年で欧州危機が訪れました。
欧州危機は長らく問題になっていて、それに引きずられる形でキプロス危機も生じました。
2017年 7月 ジンバブエ
ジンバブエで政府が大量にお札を刷ることにしたためにハイパーインフレを恐れた国民がビットコインを逃避先にしました。
インフレ率は100万%に及んだそうです。物々交換で食いつなぐ家族もいます。
ビットコインの価格の変動よりも自国通貨の方が変動が激しいための行動ですね。
ジンバブエの仮想通貨取引所だけは、BTCが40、50万円→80万円に高騰しました。
2019年にはベネゼエラは使い物にならなかった法定通貨から自国通貨を仮想通貨へかえていこうとするプロジェクトが立ち上がっています。
参考Coin Choice:ハイパーインフレ国家ベネズエラで起こる、政府の動きと草の根運動
経済的に弱い国は、ドルやポンドのように世界の中心となる通貨に引っ張られて振り回されていましたが、そうした制限から逃れるための史上初の試みでもあります。
ちなみに、2019年ではベネゼエラでのビットコイン取引高が過去最高になっています。
2018年 8月 トルコリラ暴落
トルコリラが半年で40%以上も下落しました。

ビットコインもトルコリラ下落のピークに近い時期と合わさって価格が上昇しています。

トルコリラが2018年度の初頭から下落を初めて、ピークが訪れたのは2018年8月でした。
トルコにある仮想通貨取引所では、仮想通貨の売買がおよそ300%増しの取引高になりかなり意識されていました。
次はイギリスのブレグジット?
Britain Exit(ブレグジット)によって関税が発生してイギリス大手企業に痛いダメージを与える可能性があります。
倒産する可能性もある企業も当然あり、もしも大きな企業が倒産した場合はドイツ銀行がCDSしている会社もあるためそれがきっかけで仮想通貨の取引が高まるかも。
と予想を立てる人もいます。
破綻までは時間の問題?
- ドイツ銀行の状況はふくろこじになっているため、時間の問題です。
- 事業を拡大し過ぎて縮小も難しくなっています。
- どれだけバランスが崩れた時にカバーできるのかが重要な段階です。
2019年度中にすぐに破綻するのか、と言われると正直わかりません。
ただ、2、3年以内くらいで見ると破綻する可能性は大いにあります。
コメルツ銀行と合併すれば一時しのぎはできる
対症療法的な方法ですがコメルツ銀行と合併すれば一時しのぎはできます。
メディアではドイツ政府が介入して合併を進めるとのことです。
しかし、弱い者同士での合併でこれまでうまくいったケースはほとんどないとのことと、コメルツ銀行もドイツ銀行も複数の事業展開しています。
競合する分野もあるため、うまく統合できるのかといえばかなり難易度はたかそうです。
根本的に解決するには、事業を縮小させていってCDSを切り離していくしかなさそうです。
ただしドイツ銀行はすでに末期
株価が89年以下の半分の水準(倒産レベル)



10ユーロ未満になっていて、誰も買ってくれません。
人員削減などで利益は出るようになったそうですが、CDS改善への糸口にはならないと思います。
ドイツ銀行の破綻問題のきっかけ
2016年にアメリカ側の銀行に対するストレステストでドイツ銀行に重大な脆弱性が発見されました。
FRBは28日の声明でドイツ銀の米事業について、「資本計画の慣行に幅広く重大な不備」が見られたと指摘。ドイツ銀のリスク管理機能やデータ能力、ストレス下での対応を予測する際の手法と想定の脆弱(ぜいじゃく)さを挙げた。
大量のデリバディブ(CDS)が見つかったからです。それからドイツ銀行の株価は急落しました。
デリバディブ(CDS)はよく金融機関の合法的な賭博に例えられるものですが、マイナス金利によって普通預金では利益を生み出せなくなったために走った危険な橋でもありました。
その後、中国の海航集団が筆頭株主となって出資しましたがここも10兆円を超える負債を抱えて、事業を縮小中です。
リーマンショックを学んだアメリカもCDSを保有していました。リーマンショック後は銀行の事業を縮小させながらCDSも手放してリスク縮小しました。
実はそのアメリカの手放したCDSを買ったのがドイツ銀行でした。
アメリカが売った中国の土地などを買っていました。ドイツ銀行はCoCo債と呼ばれる自己資本率が下がるとゴミになってしまう商品を作りごまかしたりして粘っていました。
一方でドイツ銀行株を保有している中国でも、個人対個人の投資サービスが相次いで倒産していき、1.6兆円の被害額があったそうです。
しかも、1年間で10%ほどの中国の企業が倒産したり共産党に乗っ取られる優良企業なども現れて余裕のなさがどんどん露呈していっています。
メルケルはこれまで銀行救済を政府手動で行うことを否定してきたため救済もすんなりとできません。
世界とCDSで繋がっていたドイツ銀行
フォルクスワーゲンのメインバンクはドイツ銀行でCDSも保有しています。
このフォルクスワーゲンが倒産でもすると今度は、下請けのボッシュ、それから部品工場として中国の下請けまでが影響して連鎖倒産していきます。
それが回り回ってドミノ式で世界の企業が連鎖破産していくことが十分ありえます。
EU解体とメルケル首相
7500兆円のCDSはいつどこから支払う羽目になるのかわかりません。
少しでも早く政府が介入して多少は強硬な手段を使ってでも抑えなければなりませんが、メルケル首相のポリシーが反していて容易に進みません。
さらにイギリスがEUから脱退となれば、関税などの障壁で倒産する企業も出てきて、CDS地獄に火をつける一触即発さもあります。
どれだけ切迫しているのか
・すでに株価は倒産レベル
・ドイツ政府が食料を10日分、水を5日分の用意をするようにと発表。隣のチェコでも同様の注意勧告がある。
・S&Pグローバル・レーティングは同行の格付けを「A-」から1段階引き下げ「BBB+」
・CDSとしての利益も空っぽの状態。投資をしすぎた。
・トレード部門は800億円の損失
・20兆円超えのマネーロンダリング疑惑
・筆頭株主がじわじわと株を売っている
他に連想ゲームで「これ、起こったらやばいよね」という予測はたくさんあって、大きな風船の周りにたくさん針が仕掛けられているような状況かもしれません。
弱いもの同士で合体を試みる
コメルツ銀行との合併で対症療法的に難を逃れようとしているそうですが、過去の事例で弱い銀行同士の合併はうまく行ったことはあまりないそうです。
お互いに複数事業を持っており、保守的な銀行同士がうまくミックスするのはなかなか難しいようです。
うまく行かないという味方が一般的で、実際に合併できてもよくても時間稼ぎができただけと見るのが良いかと思います。
CDSの仕組み
CDSとは保険と同じ仕組みを企業に当てはめいます。対象にした企業が倒産しなかったら手数料をもらって、企業が倒産したら債権を支払います。
詳しくは【 CDS(デリバディブ)でドイツ銀行が破綻 】CDS基本と破綻の可能性で図解しています。
リーマンショックの映画がわかりやすい
いまいち、ヤバさをイメージできない場合はマネーショートと呼ばれる映画がオススメです。
サブプライムローンでいかに、金融機関がグルになって虚構の錬金術で中身がスッカスカのジェンガを積み立てていたのかわかります。
過去の経済事件と逃避先として選ばれたもの
いわゆる安全資産と呼ばれるものです。
・ドル
・円
・ゴールド
ゴールドとドルは定番ですね。ご存知の人も多いかもしれませんが、これまで世界各国で不況になるとよく日本円が選ばれました。
しかし世界不況が起こると先進国の通貨は軒並みダメージを受けます。
それだけなら良いですが例えば石油なんかはドル基軸で動きますので連動して下がります。
何が上がって何が下がるのか見分けが難しいです。ゴールドも高くなりすぎていて必ずしも安全とはいえません。
一般人は仮想通貨(暗号資産)が逃避先として相性が良い理由
一般人であれば仮想通貨を資産のほんの一部だけでも持っておくと良いと思います。
先にも言いましたが、不景気はドイツだけに止まらずに世界に波及する恐れがあります。
銀行は没収したり閉鎖することがあります。仮想通貨は政府が介入できません。
一般人が金を買うのはハードルが高いです。かといって、ドイツ銀行が破綻するとドルも下がるので逃避先には不適切です。
先進国は軒並みダメージを受ける可能性が高めです。
一方で必ずの保証はできませんが仮想通貨であれば、価格の変動は激しいものの“事前に仕込んでおけば”少なくとも大損することはないはずで、むしろ上昇の波に乗れます。
ある程度、詳しくなるまでは保有するのは資産のほんの一部で特に理由がなければ銘柄はビットコインで良いです。
仮想通貨はいくらから?初心者が1万円ではじめる仮想通貨では1万円から仮想通貨を始めることができることを解説しています。
仮想通貨のイメージ
2017年度までの仮想通貨しか知らない人だと、仮想通貨はマルチ講だとかICO詐欺だとかでロクでもないイメージを持っているかもしれません。
しかし2018年度から先は儲からないと気が付いた詐欺師たちはいなくなり、純粋に好きな人が残ってきました。
技術の基礎研究は着々とすすんでいて、国も体内チップを埋め込むようなスウェーデンを見習いキャッシュレスに本格導入しています。
(2019年度の経済省の予算案はおよそ2800億円)
2017年までと、2018年以降とでは仮想通貨の見方は変わってきています。
歴史は繰り返す
バブルの真っ只中では、バブルと人は認識できません。
ですが、終わった後に「麻痺していた」と反省する人が次々と出てきます。
日本の最初のバブルは大正バブルですが、大正バブルを知っていたにも関わらず「日本の土地の価格は不変だ」という理論で土地を買い込む高度経済成長期をすぎました。
残念ながら、歴史は繰り返されそうです。起こってからでは冷静に物事は見れません。
煽りたい訳ではないですが、実際にドイツ銀行が危険にあることは残念ながら事実なので過剰に反応する必要はなくとも、事前に準備できるところは準備するべきではないでしょうか。
ドイツ銀行破綻と仮想通貨 まとめ

ドイツ銀行破綻によって逃避先の一つとして仮想通貨(暗号資産)を選ぶのは合理的な判断だと思います。
特に資産の大きくない一般的な人が選びやすい逃避先として仮想通貨は十分に考えられます。
私自身も資産の一部は仮想通貨にしています。
単純な事実として、起こってから騒いでは残念なことですがダメージは避けにくいです。
少し妄想ですが、今、ソフトバンクが資産売却してキャッシュを集めているような動きもありドイツ銀行の備えと関係あるかもしれません。
仮想通貨の始め方に関しては【ネコでもワカる】 仮想通貨の始め方 ~これから始める仮想通貨~を読んでみてください。
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もともと、様々な暗号学者や研究者が政治的リスクを含めてまで世に出せるデジタル通貨については研究が長年されてきている歴史が金融危機とは別にあるにゃあ。