「 仮想通貨とは 」一体なんなのかについて詳しく分かりやすく解説しました。

世界的にブームになっている仮想通貨。
テレビや新聞、SNSでたくさん話は聞くけれど専門用語もたくさんで何が何だか分かりづらいですよね。
この初心者向けの講座ではネコでも分かるようにできるだけ噛み砕いてサクッと仮想通貨を覚えることができことを目指しました。
中級者の方も改めて知って得する内容になればと考えてまとめてみました。
草猫店長の目次ノート

仮想通貨とは ~ 現代のデジタルゴールド ~
価値保存の手段として現代版のゴールドとして注目を浴びているビットコインですが性質もゴールドと似ています。
❶仮想通貨とビットコインの違い

仮想通貨とは 一体どういうものなのでしょうか。
仮想通貨=ビットコインという認識の方も少なくないと思います。
これは正解ではあるのですが、より正確にいえば仮想通貨の一つの中にビットコインがあります。

このように、ビットコインは仮想通貨の内の1種類に過ぎません。
他にもたくさんコインは誕生していて、現在では1500種類以上もの仮想通貨が誕生しています

仮想通貨と暗号通貨の違い
海外では厳密に仮想通貨について話すときはvirtual currencyではなくcrypto currencyと呼びます。海外の記事でもvirtualはほとんど見かけません。
virtualは仮想、cryptoは暗号、です。どちらも似ていますが暗号技術を用いた仮想通貨では暗号通貨の方がより技術に近い言い方になります。
また、国際的な呼び方として暗号資産という言葉も使われるようになり日本も法律上の呼び名として普及させようとしています。
暗号資産は仮想通貨よりさらに包括的な意味合いになりここでは解説しません。
暗号資産とは何かを6つに分類して解説 【 暗号通貨と違います 】の記事で暗号資産をジャンル別に解説しています。
❷仮想通貨はどこからやって来たの?
最初の仮想通貨であるビットコインの由縁は2008年8月に突然現れた「サトシナカモト」がハッシュキャッシュの開発者へメールを送信したことが始まりです。
2008年9月には9枚のより具体的なレポートをメールで送信し、以後、サイファーパンク好きや国や組織、誰にも縛られない自由な世界を理想に抱いた理想家たちが自発的に協力し合い誕生した通貨です。
1997年頃より自律的なデジタル通貨に関する理論が提唱されていましたがどれも実用化には至りませんでした。
「サトシナカモト」の9枚のレポートの内容は今まで実現できないと考えられていた管理者によって縛られない金融システムをP2Pという技術を使って実現できるという内容でした。
「サトシナカモト」は仮名で日本人かどうかすら今でもわかりません。偽物の自称サトシナカモトも世界中で増えていますが今のところ本物と思われる人物は出現しておりません。

レポートがメールで送信されてからは世界中の理想家達が改良を重ねて実用化しました。
今のビットコインの価格に至るまでに詐欺や規制の大きな悪いニュースが起きてひどい時には1400円台から160円台までビットコイン価格の崩壊も起こってしまいました。
紆余曲折のビットコインでしたが世界中にいるビットコインの未来に共感する人たちがどんどん増えていったおかげで、ビットコインは価値を高め続けることができ今日まで成長することができました。

「サトシナカモト」のレポートはたったの9枚だけでした。
タイトルは【ビットコイン: P2P 電子通貨システム】というものでした。
しかしシンプルながらも意外性をついており、しかも実現可能性の高い理論であったため自主的に集まったメンバーで実装化されるに至りました
❸電子マネーと仮想通貨

電子マネーと仮想通貨との大きな相違点は3つあります。
❷通貨の種類
❸オープン
❶管理人の不在

電子マネーは電子マネーを発行している会社が取り扱っています。
そのため自由自在に総量を増やしたり減らしたり、使い方を一方的に限定することも可能です。
仮想通貨は管理人が不在のシステムです。
人や企業が管理せずに通貨のやり取りを確実に誰にも悪さをされる心配もなく自動でシステムが管理してくれます。
ただの自動システムであれば従来のコンピューターのデータベースを用いても実現可能でした。
しかし仮想通貨がこれまでの技術と異なるのは「誰が見ても正しいと信じることができるシステムを管理者不在で行われている」という点になります。
従来のコンピューターでは所持者が悪さをできてしまいますが、仮想通貨(に使われている技術)では悪いことができない仕組みになっています。
この自動で応答するシステムが信頼を保証してくれていることをトラストレスと呼びます。
信頼する第三者が不要で正しく動いているから信じる必要もない程には信用できる。という意味合いです。
有名なハッキング事件にMt.Gox事件があります。2011年6月13日にウイルス感染させられた会社のパソコンからハッキング被害に合いビットコインの価値は大きく下落しました。
ビットコインのシステムそのものには問題ありませんでしたが、仕組みを知らない一般層からするとビットコインのシステムそのものに問題があったと勘違いしてしまう事件でした。
大きな被害が発生たのは以下の3箇所です。
❶顧客の75万BTC
❷自社保有資産の10BTC
❸顧客の預金口座資産28億円
これら3箇所でハッキング被害に遭遇し2011年6月13日の当時では1401円/BTCの値をつけていたビットコインの価値は、2011年11月14日には169円/BTCまでにじわじわと価値を下げていきました。
この事件によってビットコインの安全性のイメージ低下がありましたがMt.Gox事件では取引所のセキュリティに問題があったことが原因であり、ブロックチェーンの脆弱性の原因ではありませんでした。

6月13日に合計で85万BTCと28億円を盗まれたと言うことかにゃ〜。当時は1401円/BTCだったから
1401円 x 85万/BTC = 11億9千万円
11億9千万円 + 28億円 = 39億9千万円
合計で約40億円も盗まれているにゃ〜
しかも85万/BTCが2018年1月の200万円/BTCのレートで換算すると1兆7000億円になるにゃ。大変すぎるにゃ。
❷通貨の種類

仮想通貨は実体がないだけで円やドルと同じ独立した通貨です。ただし国をもちません。
日本の会社の電子マネーであれば日本円の相場をベースにポイントが付与されますし、アメリカの会社の電子マネーであればドルの相場をベースにポイントに換金されます。
しかしビットコインの場合は円でもドルでもなく、ビットコインはビットコインという通貨でかつ実体がないデジタル通貨です。略称はBTCです。
ビットコインには国の属性がないため世界中で使う事ができます。
実際のところ、インターネットがない地域や国の規制のために使えない場所もあります。これからIT技術の進歩で解決されなければならない課題の一つです。
❸オープンさ

電子マネーはクローズドです
仮想通貨はオープンです
電子マネーは電子マネーを提供している会社のアプリケーションがみんなのデジタル化されたマネーを管理してチェックします。
誰かが使う度にその会社を中継してお金を送ります。もし電子マネーの会社が悪さをしたり倒産すれば一緒に電子マネーもなくなってしまいます。会社の範囲内だけで終始完結してしまいます。
一方で仮想通貨はインターネットと同じように皆んなと蜘蛛の巣のように取引履歴が共有されるようになっていて、世界の誰かが取引をすると取引の結果がみんなに自動で共有されます。
誰かのパソコンが1台壊れてもみんなが同じ履歴を持って繋がっているため電子マネーのように組織とともに無くなったりしません。
みんながシステムを使い続ける限り国を超えて延々とシステムは24時間休まずに動き続けます。

❹ゴールドと似ている仮想通貨(ビットコイン)
世界で一番最初の仮想通貨であるビットコインは「金」を模倣してつくられたと言われております。金と同様の5つの共通点があります。
❷劣化しない
❸分割できる
❹採掘(マイニング)コストが必要
❺改ざんできない
❸の分割できるとは、金1kgの価値は、金100g x 10個に分割しても、金10g x 100個に分割しても価値が変わりません。
ビットコインも0.00000001の小数点以下8桁まで分割できます。
❹の採掘(マイニング)コストも必要で、「金」は言うまでもありませんが、ビットコインの場合は暗号化された履歴を計算力を示して照合しなければなりません。

このように「金」の性質にとても近いのがビットコインの特徴です。

その通りで「金」の装飾的なニーズが昔からありました。
これはビットコインにはない性質です。
一方でビットコインはソースコードをコピーして複製することが可能です。別の機能を付け足してリリースすることもできます。
これは金には無い性質です。
和同開珎をした奈良時代、日本では様々な貨幣が流通しました。
しかし新たに発行されていく貨幣は銀の量が少ない質の悪いものへと質を下げていったため、当時の人々はそのお金をお金として信用できなくなりました。
結果として当時の人々の間で物々交換が流行りなおすという歴史をたどってしまいました。
当時も純粋な金や銀に信用があったことが伺えます。
❺ビットコインのブロックチェーンって一体何?

ブロックチェーンとはビットコインで使われている台帳システム技術の名前です。
「取引履歴の塊」を特別な計算式(ハッシュ関数)で暗号化させたもの(ハッシュ値)に対して皆んなでコンピューターの力を使って計算力を競争していきます。
計算力を示すことができた運の良かった人が「取引履歴の塊」に対して「これらはきちんと取引できましたよ」と照合できる決定権と報酬としてビットコインを得ることができます。
そしてマイナーが報酬を受け取ったこともシステムの中の取引履歴として残されてまた新たな「取引履歴の塊」をつくることができるようになります。
そして次の取引履歴の塊が完成したら「取引履歴の塊」を再度、特別な計算式(ハッシュ関数)で暗号化させたもの(ハッシュ値)に対して計算力を示す一番乗りを目指す競争が行われるようになります。

「取引履歴の塊」に対してコンピューターのパワーで計算力を示すためには電気代がかかってしまいます。
コンピューターのパワーが大きな程、電気代が必要になってまうことからPoW(Proof of Work)と呼ばれるようになりました。
ブロックチェーンの「ブロック」=「取引履歴の塊 」のことです。
しかしもう少し正しく中に入っているものを分解すると大まかに【「ナンス値」「取引履歴の塊(トランザクション)」「ハッシュ値」】の3つの構成となっています。(本当はもっと細くあります)
仮想通貨のどこが便利なの?
・管理者が不在で済むこと
・海外への送金手数料が安く済むこと
管理人がいないシステム
従来までの世の中のシステムでは銀行という管理者がお金の管理をしてくれていました。
ですがブロックチェーンと呼ばれる台帳システムを使うと管理者が不在で取引履歴を正確に公平に管理できるようになりました。
管理者の気まぐれに左右されずに個人がシステムに関与できるようになりました。
安い送金手数料

国際送金をあまり利用しない方には馴染みがないかもしれませんが、国際送金では現在も負担の小さくない手数料が生じてしまいます。
従来までは間にいくつかの仲介銀行などが入ってしまい直接的に資産を送ることができませんでした。
また発展途上国の一部の国になると国際送金をするために1日中銀行の列に並ばないといけない地域もあります。
❷為替マージン
❸受取先手数料(受取人が支払う場合もある)
大まかに上記の3点の手数料が生じます。しかも送り先の記載をすることに時間がかかってしまいますね。
しかしビットコインが現れたおかげで間に銀行や会社を通さずに直接的に対個人への送金のやり取りが可能となりました。
今となっては送料がとても高くなってしまったビットコインです。(200万円/BTCの場合の送金手数料は2000円)。
しかしリップルのような国際送金に特化した仮想通貨(XRP)を利用すれば100円以内で世界中に安い手数料でしかも高速で簡単に送金できるようになりました。
なお、ビットコインの手数料を緩和するためのライトニングネットワークという仕組みをビットコインへ実装することが検討されています
仮想通貨は金融商品以上の価値がある

写真は5億%の天文学的なハイパーインフレが生じたことで有名になったジンバブエです。
1980年以降、首相の独裁政治によってハイパーインフレが生じて通貨の価値が下落しすぎたため100兆ジンバブエが発行されました。
当時は子供たちが紙幣を使って遊んでいたそうです。
日本では馴染みのないこうしたハイパーインフレを経験しているベネズエラやウクライナなどの世界各国では国際送金の用途として用いられています。
また、急激なインフレは一年足らずで貯金の中身を紙屑へと変えてしまいます。
そのため事前にビットコインを始めとする仮想通貨は資産の避難先としても世界各地で利用されています。
仮想通貨のような価値が不安定な通貨であってもそれを凌駕するインフレと比較すると仮想通貨を保持した方が良いという人が世界にはいます。
深刻な不景気では銀行がまともに機能しないことが起こります。
仮想通貨が単純に儲かる商品としてだけではなく資産を残すための切実な手段に成り得ることがわかります。
過去の金融危機の歴史に関してはまとめた記事、【 世界編 】 金融危機の歴史を1900年以降で振り返る 【 世界恐慌 】があるので読んでみてください。
仮想通貨のリスクと注意点
仮想通貨は良い部分だけではありません
自己責任の世界
管理人が不在=責任を取ってくれる人や組織も不在
ということです。
誰か悪い人にハッキングされてしまっても取り返す術は今の所ありません。
もちろん滅多なことでは起きませんが、2段階認証のような取引所が用意している対策システムを無視している人がハッキング対象になりやすいので注意が必要です。
ビットフライヤーとコインチェックは損害保険会社と協力して補償サービスの実現をしている唯一の会社です
通貨の価値が大きく変わりやすい

毎年大きな成長を繰り返すビットコインですが、1日で30パーセント近く上下動することもあります。
それだけ振れ幅大きいことも珍しくないのが仮想通貨です。
2018年1月の上旬には10日間にかけて急落していき下落率が一時的に45パーセントまでいきました。
美味しい話にご注意!ブームに便乗した詐欺
世界を変えうるようなプロジェクトでも蓋を開けてみると実は机上の空論でプロダクトも無しのただのお金集めが目的だったというICO詐欺が今も横行しています。
他にお年寄りを騙したり、偽サイトへ誘導して2段階認証を破ってフィッシング詐欺を行いお金を盗む人が多いのも仮想通貨界隈です。
仮想通貨の世界においても、法規制が整っていないことをいいことにブームに便乗して詐欺でお金儲けを企む人もいるので注意が必要です。

手間暇かけずに安心して運用するには
基本的には長期保有の路線が多くの人にとって安全であると思います。
仮想通貨の情報は錯綜していて、混乱しやすいです。変に情報をインプットせずにたまにチェックするくらいがちょうど良いかと思います。
長期保有のやり方
ではそんなまだまだ不安定で悪い噂も飛び交っている仮想通貨で上手に長期保有のトレードするためには何をすれば良いのでしょうか。実はとても簡単でたったの2STEPで終わります。
❷放置します
これで終わりです
とても簡単すぎて逆に不安になりましたでしょうか。しかしこれは筆者的に意外と有効な投資の方法だと考えています。
放置できるということは精神的に余裕があるということです。FXでも株でも精神的に余裕のある人は少数です。
相場の世界では心理が反映されるとよく言われますが放置すれば心理の波に飲み込まれなくなります。急な暴落でも平然としてる人の方がトータルで含み益を獲得しやすいです。
途中で山あり谷ありになり時にMtGox時のように約1/10程度まで下落するかもしれません。
しかし長期的に見れば仮想通貨の市場は大きくなっていく可能性は非常に大きいです。自己責任ではありますが最悪、なくなってもいい金額でやるなら何気に最強な方法です。
ひたすら一つの通貨にこだわり売らずに保ち続けることをガチホと呼びます。
ガチホールドの略称で、過去に途中で手放さなければうん十倍になっていたのに、という後悔する人たちからこのような造語がSNSで流行っています。
まだまだこんなものではないビットコインの値段
冒頭からここまでの内容を読んでもしも仮想通貨の未来に可能性を感じたのであれば、仮想通貨はほぼ間違いなく今後も上昇傾向を強めていくだろうと感じられたのではないでしょうか。
最近では政治的な問題も絡んできたので保証はできませんが、サトシナカモト本人はもしビットコインが世界で1番の通貨として流通すればその価値は1000万ドル/BTCになると言っていたそうです。(約11億円/BTC 2018年1月レート)
また、初期の伝説的なビットコイン投資家であるジョンマカフィーは2020年末までにビットコインの価値は100万ドル/BTCと予言しています(外部リンク:THE COINTELEGRAPH:「ビットコイン2020年末までに100万ドル」ウィルス対策ソフトで有名なマカフィー氏)
仮想通貨の未来を信じて気にならない程度の金額を入れてたまに思い出して残高を見てみたら資産が倍増していた。
なんていう話は2016年頃からとてもよく聞きます。(実際に1億円を超えるかどうかは怪しいですが1000万円台の路線までは市場規模さえ大きくなればありえます。)
先ほどの放置戦法はあくまで自己責任ではありますがとりあえず始めてみたいという方や、カジュアルに始めたいという方にとってもオススメな方法です。
放置するのであれあ1年〜は見て置きたいところです。
仮想通貨を初めてみたいと思ったら
仮想通貨を初めてみたいと思ったら、まずは取引所を開設する必要があります。
日本円→ビットコインと換金してくれるところは取引所だからです。
取引所の選定に関しては【 金融庁認可 】 仮想通貨のおすすめ取引所 (販売所) ランキング国内5選の記事で紹介している取引所であれば比較的に安全に始めることができますよ。
仮想通貨を買ったその後は
仮想通貨を試しに買ってみた人は追加で仮想通貨についての理解を深めて行くとより楽しめるようになります。
もっと知りたくなったら
仮想通貨の誕生をストーリーで理解するなら「デジタル・ゴールド」をお勧めします。
仕組みを噛み砕いて理解するなら「ビットコインはどのようにして動いているのか?」をお勧めします。
相場の秘密
実はアルトコインの多くはBTCと連動しやすいです。
しかし通貨によっては振れ幅にコインの個性が反映されるので全く同じ動きでは当然ありません。
誕生して間もない若いコインほど例外な動きが多い傾向が強いです。
実際に世の中で使われるコイン程、長期的に成長していく銘柄になると言われております。
最近の仮想通貨の傾向でも、ブロックチェーンを実用的に使えるのかを中心に仮想通貨が語られるように議論が技術的な方向にももりあがってきました。
仮想通貨の将来性
誰にも予測不可能な仮想通貨の未来です。しかし「金」の市場は750兆円。
2018年1月の仮想通貨の市場は約60〜70兆円。まだ「金」の10分の1の大きさしかありません。
「金」を模倣して造られた仮想通貨です。これはまだまだ伸びる余地があると期待しても良いかも知れませんね。
有名な投資家でも2018年中に1000万円/BTCを予測する人も少なくありません。今後の動向にも注目ですね。
仮想通貨の将来性に関してはビットコインに価値は無い!今後どうなる仮想通貨の展望と将来性の記事で解説しています。
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