2017年度はコインチェック、2018年度にbitFlyerに上場して名を馳せているLiskです。
2019年度は開発者向けツールのSDKアップデートが要注目されています。
リスクの将来性について結論から言えば以下の通りになります
❷Liskで人気のプロダクトを作った人は先行者利益が得られる
❸投票システムをうまく使っている人に乗っかれば多く利益が得られる可能性がある
❹一時的に難しい局面に入る可能性がある
❺長期的にはJavaScriptのライブラリ的な立ち位置になっていく可能性
それでは説明に入っていきたいと思います。
草猫店長の目次ノート

リスク(Lisk)とは
ストーリー
Liskの創業メンバーであるオリバー(Oliver)氏とマックス(Max)氏は世界レベルの大きなオープンソースのプラットフォーム構築の実現に野心を抱いていました。
もともとクリプティファンデーション(Crypti Foundation)と呼ばれる機関に18か月間所属していたそうです。
クリプティファンデーションはチーム同士で濃いつながりが生まれていたこともあり、クリプティファンデーションでの仕事には情熱を持って取り組んでいたそうです。
しかし、その機関の中では自分たちが目指した規模でオープンソースの世界の実現はできないと感じ、クリプティファンデーションとは別にLiskプロジェクトを立ち上げることにしたそうです。
最初はクリプティファンデーションの裏でLiskプロジェクトを同時並行で進めていたそうですが、最終的にLisk開発へと吹っ切れクリプティファンデーションを去ることにしたそうです。
ICOの段階では宣伝することに力を入れすぎてLiskプロジェクトを混乱させてしまったことを反省していました。(外部リンク:公式ブログを参照)
基本情報
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コイン名 | Lisk(リスク) |
略称 | LSK |
公開日 | 2016年5月24日 |
コイン上限枚数 | 無制限 |
国内取引所 | coincheck , bitFlyer |
海外取引所 | BINANCE,Poloniex |
ツイッター | @LiskHQ |
承認方式 | DPoS【Delegated Proof of Stake(SHA-256)】 |
ホワイトペーパー | Liskホワイトペーパー |
公式HP | Lisk公式ホームページ |
コインマーケットキャップ情報
B=10億 例:1Bドル = 10億ドル
Liskの将来価格
Liskを推してるリスカーからすると、将来的にLiskはイーサリアムと肩を並べていくであろうという見通しかなと勝手に思っています。
とある予測の記事によると5年間で50ドル(5500円)を超えると予測しているそうです。
こういう時は逆説的に問うと信じれてしまう。
『LISKは雰囲気だけで4800円になった事がある。じゃあ11月のブロック報酬減少まで全てのイベントを経たとして年末5000円はいきますかね❓』
いくよね。5000円でもいけばアナタの資産はいくらになるの?って考えると幸せ。まぁそんな低いワケないけど💁
— かしわもち@Lisk (@AMA1DwvEJVMmyTo) 2018年3月8日
リスクは果たして年末にいくらになってるでしょうか。。。
予想してください!時間がある方は答えていただけると嬉しいです!
根拠なくてもいいです!
期待を込めてもいいです!もちろん根拠ありでもいいです!
お待ちしております!!!笑私は3万は越えていくかなーと思っております。#Lisk
— 太郎 (@Pnf2S) 2018年2月4日
LISKとイーサリアムって発行枚数も似てるし上限無しも似てるし適度に半減期あるのも似てる
しかもLISKはイーサリアムが未だ達成できていないPOSを実現安定運営してる
そう思えば将来今のイーサリアム価格25000円程度はいってもおかしくない
なんて妄想してます
100倍ですね
— 黒魔道錬金術師 (@bigfatmoney8) 2019年6月4日
Liskの特徴
Liskはカタカナでリスクと呼ばれており、通貨はLSKです。
Liskはイーサリアムのハードフォークではない
公式ページによると、Liskはよくイーサリアムからハードフォークしたものと誤解されがちだそうです。
Liskはクリプティファンデーションのプロジェクトの意志を受け継ぎつつ造られた独自の仮想通貨です。
ブログでオリバー(Oliver)氏とマックス(Max)氏は「Liskはクリプティファンデーションからフォークしたプロジェクトだ。」と語っています。
LiskはJavascript言語で開発されておりエンジニアにフレンドリーな言語
プログラマーで聞いたことがない人がいないレベルで知名度のあるプログラミング言語、Javascriptをあえて選んで開発されました。
これはエンジニアが触る敷居を下げるためです。
一説によると世の中のWebサイトの90パーセントでJavascriptが用いられているそうです。

Javascriptは主に実際にユーザーの目に映る側(フロントエンド)とデータをやり取りをしたりデータベースを扱う側(バックエンド)の両方に対応でき、幅広く用いられている言語で、かつ初心者も入門として入りやすい人気の言語です。
Webサイトの構成要素で言えばHTML、CSS、それと並んで語られているのがJavascriptです。
Githubと呼ばれるエンジニアで最も有名なオープンソースプラットフォームではダントツで利用されています(外部リンク:GitHubで使用されているプログラミング言語ランキングトップ15公開!)
記事の中では、GitHubへの「プルリクエスト」数でランキングを決めています。
❷2位はPythonの100万回
❸ 3位はJavaで98万回
❶世界中で開発者が増えてインフラになり時価総額UPの根拠です。
Githubの結果の中では世界中で最も使われている言語がJavascriptですので利用者数の規模がイーサリアムよりも大きいです。
そしてまだLiskの開発環境が整っていないことを考えるマーケットが拡大するタイミングはこれからだと言えます。
そして開発環境が整ってからは実際にプラットフォームを最初に作った人は世界中のJavascriptの使えるエンジニアから注目される可能性があります。
コアなユーザーになるかはプラットフォーム次第かもしれませんが設定した手数料でキャッシュフローが生まれるかもしれません。
これが❷Liskで人気のプロダクトを作った人は先行者利益が得られるの根拠になります。
Liskとイーサリアムの言語の違い
一方でイーサリアムはSolidity言語と呼ばれるあまり一般的に流行っていない言語で開発されています。
構文自体はJavaScript言語と似ておりとっつきやすさは確かにあるかもしれませんが情報量は圧倒的にJavaScript言語と比べると少ないのが現状です。
Solidity言語は触ったことがないので分かりませんが、大規模な分散型Daapsを作成するのであればイーサリアム、とりあえず動くものを個人で作ってみようという時はJavascriptのLiskという選択肢もありえてくるかもしれません。
Liskはスマートコントラクトを実装できる
イーサリアムと同様にLiskはスマートコントラクトを実装できます。そのため
この二つの出来事を自由に実装することができます
スマートコントラクトは何かについて知りたいと思ったら
Liskはデリゲーテドプルーフオブステーク(Delegated Proof of Stake)の報酬方式
PoSとDPoSとの違い
PoSは通貨を持てば持つほどマイニングすることができる報酬方式です。
PoWのように年々と電気消費量が倍増していく心配もありません。
その一方で資産がない人にとっては不公平だという声が上がるのがPoSです。
持っている人はさらに持つことができ、持たざる者は全然持つことができない上に、たくさん持っている人が突然売りに出ると相場が全体的に下がって損させてしまうという搾取的な側面もあり、ネズミ講に例えて批判されたりします。
このようにPoSの場合は所持しているだけでマイニング権利が得られました。
しかしDPoSの場合はPoSの機能にさらに投票システムという独自の機能が付いています。
具体的には
DPoSは、所持コイン枚数 = 投票量(投票数)
となります。
DPoSはLSKホルダー全員で好きな立候補者を選んで投票することができます。
代表者は最大101人当選することができます。
代表になった人はマイニングすることができます。リスクのマイニング = フォージと呼ばれます。
公式ブログでも「LSK通貨を持っている人は誰でもリスクのセキュリティを高めてくれそうな人に投票することができます」と発言されています。
そのため当選した代表者のみが報酬が得られる仕組みになっています。
しかし、もし代表者が公約に「私に投票して当選すれば投票してくれた人にフォージ報酬のXパーセントをバックします」と公言されていて、その人へ投票するとします。もし、無事にその人に当選すれば自分も利益を得ることもできます。
このように、票数が多い人ほど有利になる、半分民主主義的なシステムを持ったものがDPoSです。
これが❸投票システムをうまく使っている人に乗っかれば多く利益が得られる可能性がある
の根拠となります。
Liskはサイドチェーン
サイドチェーン(サイドチェイン)とは何か
サイドチェーンとはブロックチェーンに親チェーンと子チェーンをそれぞれ使ってブロックを生成していこうという方法です。
親チェーンはメインチェーンと呼ばれ、子チェーンをサイドチェーンと呼びます。
Liskの場合のサイドチェーンでは、メインチェーンにLSK(通貨)の取引履歴が載せられており、サイドチェーンにはLiskで作られたサービスのプラットフォームの数だけサイドチェーンが増えて行くイメージになっています

例えば、ゲームのプラットフォームをLiskで立ち上げるとゲームのプラットフォーム専用のサイドチェーンが作られます。
例えば、メッセンジャーのプラットフォームをLiskで立ち上げるとメッセンジャーのプラットフォーム専用のサイドチェーンが作られます。
もう少し抽象的な話になると、スマートコントラクトを利用したプロジェクトの数だけサイドチェーンが作られるということになります。
サイドチェーン(サイドチェイン)で不正が起きたら
サイドチェーンのブロックで不正が生じた場合、不正されたサイドチェーン内でハードフォーク(又はソフトフォーク)で対処すればメインチェーンのブロック履歴を傷つけずに済みます。
過去にイーサリアムの自律分散型プロジェクトの総称であるThe DAOで、The DAO内の仕組みに問題があったため脆弱性をつかれ360万ETHがハッキングされました。
しかしイーサリアムには一本のメインチェーンしかなかったため不正の履歴を消すことはできませんでした。
強行手段として盗まれた金額をソフトフォーク(コピー)して盗まれた金額をフリーズさせることにしました。
ソフトフォークさせる前にコード上で強制的に資金を移動させるコードを追加させたのです。そしてイーサリアムの分裂後にイーサリアムクラシックが誕生しました。
このようにLiskであればスマートコントラクトのプロジェクト毎にサイドチェーンを生み出すため、一つのサイドチェーンがハッキングされてもLisk全体の価値を損なわない仕組みになっています。
(情報が少なくもし誤ったポイントがありましたらTwitter@CryptoKusacoinかコメント欄にご指摘お願いいたします)

サイドチェーンについてもっと詳しく知りたかったらコチラ
Liskの懸念ポイント
Liskでよく問題点に思われるポイントについてまとめました。
セキュリティに問題がある?
LiskはJavascript言語で書かれているため脆弱性に問題がある。
筆者はフロントエンドのエンジニアでも何でもないためあまり詳しくありませんが、Javascriptは他の言語の中でも際立って変化の激しめな言語という印象があります。
実際、毎年のように新しいフレームワークやツールがたくさん開発され、どのフレームワークを使うべきか、使うべきでないかの議論が日々なされています。
要するに全体的にアップデートの頻度の高い言語であり、アップデート直後に生じた脆弱性を突かれる、といったことは素人ながら懸念があります。
公式ブログではそれに対して以下のような内容で主張されていました。筆者なりに内容を要約した文章です。
「軽量言語と呼ばれているJavascript = セキュリティが弱いと考えられがちですが、慎重なルールに基づいて作られていれば安全だし、実際、グーグルやアップルなどでも採用されて稼働している。逆に堅牢な言語でも素人が作れば脆弱性は高い」
意訳しすぎかもしれませんがザックリこのようなことを言っていました。ただ、この点ばかりは開発者の技術次第かもしれません。
気になる方はJavascriptのフロントエンドエンジニアの方にコードをレビューしてもらうと良いかもしれません。(外部リンク:Github-Lisk)
ライブラリには
が使用されているそうです。
また今後は重要な部分だけはC++で対応することも検討しているとのことです。
DPoS(Delegeted Proof of Stake)は政治的な問題が生じる
101人のマイナーを投票式で選べるLiskのシステムですが、理論上はLSKを多く持っていれば努力無しでも当選できます。
アカウントを量産して自分のリスクを使って投票させれば良いです。
そのため不公平な状態がまかり通ってしまう恐れがあります。
また、当選者同士の政治的分裂によって何度もハードフォークさせてしまい混乱を起こしてしまうことも考えられます。
そのせいで一時的に価格が急落してしまう局面も可能性としてはありえます。
❹一時的に難しい局面に入る可能性がある
これの根拠の部分になります。
プロダクトがない
LiskはLisk App SDKと呼ばれる開発者向けのフレームワークを現在も開発中であり、JavascriptだけでSNS、ゲーム、メッセンジャーやストレージサービスなどを開発できる環境を整えていくつもりです。
環境自体が整っていないため、まだ実際のプロダクトが存在していません。
有識者の中でもこの点のマイナスポイントは大きいようです。
※2019年6月17日 追記
LiskはまだSDK(開発が簡単になるツール)を開発中です。
しかし一方で進行している、ある程度形ができているプロジェクトもあります。
例えばブロックチェーンのLINEのようなADAMANTと呼ばれるDApp、音楽著作権のブロックチェーンであるMOOSTYなどです。
詳細はLISK(リスク)のDApps LSKの分散型アプリケーション事例を読んでみてください。
サイドチェーン側で不正が生じてメインチェーン側も打撃を受ける可能性がある
LiskはDPoSと説明してきました。ですが実はサイドチェーン側でサイドチェーン独自の報酬方式を決めることができます。
名前は「サイド」であっても実質、一つのブロックチェーンと同じように報酬方式を決めることができるということです。
誰かが悪意のあるサイドチェーンを作りLisk全体の信頼に悪影響を及ぼす可能性も考えられます。
DPoSに競合が増えてきた
2019年 6月までにDPoSの競合となる仮想通貨が増えてきました。
DPoSは投票でバリデーター(データの整合性を確認する人)を選ぶことのできる承認方式でした。
仮想通貨によって人数が異なります。
EOS→21人
Steemit→21人
Ark→51人
BitShares→101人
Lisk→101人
Cosmos→100〜300人
このようにバリデーターの人数は違えど競合の銘柄は多く、DPoSというだけでは埋もれてしまっているのが現状です。
Liskはその中でどのようにポジションになるのかは注目すべきポイントの一つです。
ただし、JavaScriptに特化しているという明確な強みがLiskにはあります。
ですのでJavaScriptを使った簡易的なWebサービスとしてLiskを引っ張って使われていくのではないかと考えて居ます。
ライブラリのようなノリですね。
JavaScriptのフレームワークであるReact・Angular・Vueや、JavaScriptでPWAを取り入れたサイトが5Gの普及とともに流行りそうです。
その時に、JavaScriptを利用したブロックチェーン関連のWebサービスで親和性が高い技術がLiskのものになるのではないと考えています。
❺長期的にはJavaScriptのライブラリ的な立ち位置になっていく可能性の根拠になります。
遅れながらも開発が進むSDK(Sidechain Development Kit)

少し専門用語が多くなります。
Liskにプロダクトが出てこないネックポイントでもあるSDK(Liskでサイドチェーン開発を行うためのツール)です。
SDKは開発者が簡単にサイドチェーンを使うことができるツールになります。
こちらが中々、実用化されるまでに開発が進んでいないためにLiskはあまり評価されていなかったようです。
一方で、0xやEOS、Cosmosなどのプラットフォーム、クロスチェーンやマーケティングの上手な銘柄が注目を浴びてどんどん目立っており有識者からすると「あれ、Liskはまだプロダクト動いてないの?遅くね?」という目線になっています。
そのためにも一般層が動かせるツールであるSDKが待望になっています。しかしもうすぐAlpha SDK 2.0.0 がリリースされます。
このAlpha SDKと呼ばれるものは バージョン2.0.0→2.10→2.2.0の順番でアップデートしていく予定です。
この中で特に注目すべきはAlpha SDK 2.1.0のバージョンで、公式ブログでの発表によるとProof of Cnoceptのブロックチェーンアプリが開発可能になる予定ですと公表されています。
With Lisk SDK 2.1.0, developers will be able to create proof of concept blockchain applications
(Lisk SDK 2.1.0で開発者はProof of Conceptのプロックチェーンアプリを作ることができるようになる予定です)
Proof of Conceptとは概念実証の略です。
ちょっと抽象主義過ぎて分かりにくい言葉ですが、要するに一般の人でも試作アプリなら作れるよ〜くらいの意味合いにはなるかと思われます。
まだ道のりは長そうですがとに買う動かせるものを作れるようになるのは良い兆候と言えます。
なぜSDKの開発が遅れているのか
そもそもSDKの開発する以前にLisk Coreと呼ばれるLiskのプロトコル(規格)のアップデートに大きな時間を割いていたようです。
SDKはLisk Coreを簡単に使うためのツールに過ぎないのでより重要なのはLisk Coreの方です。
具体的な改善ポイントはTypeScript(セキュアに記述できるJavaScriptフレームワーク)へ移行したりサーバーとの通信を高速化(WebSocketの技術を導入)したりです。
専門用語やカタカナが多く分かりにくいかもしれませんが、JavaScriptという言語は数ある言語の中でも変化が特に激しいプログラミング言語です。
自由度が高い分、セキュリティに関しては相当な準備が必要に思われます。
Liskの開発が遅れているのはある意味、当然のことです。
それは通常のアプリケーションはバグが発生してから修繕します。自由度の高さとアップデートの多いJavaScript関連の技術をメインに使っているのであれば余計にバグは発生しやすいです。
TypeScriptの導入などは慎重な姿勢の現れではないでしょうか。
リスク(LISK)の特徴と今後の将来性を評価&予想 まとめ
個人的にLiskはまだ何も始まっていません。
開発環境も今年ようやく整っていくようです。脆弱性もDPoSもサイドチェーンも何もかも実際に動かしてみないとわかりません。
DPoSは完璧な非中央集権にはならないと言い切れるシステムだとは思いますが、そもそも完璧な非中央集権のシステムを人間が作れるとは思いません。
作れるとしたらAIに管理された社会ではないでしょうか。ですので案外、社会に溶け込む報酬方式となりえる可能性だってあります。
プロダクトがない限り投機の域から抜け出すことはできないでしょう。ですがJavaScript好きなら推してみたい言語です。
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