今回はファクトム(Factom)とその通貨であるファクトイドを取り扱っていきたいと思います。
結論としてはこれからも大きくなって成長を期待されている仮想通貨です。根拠は以下の4点です
❷まだ価格がまだ安い
❸プロダクトが実際にできている
❹資本家からの期待値が高い
それでは詳しく解説していきます。
草猫店長の目次ノート
2019年6月のファクトムの様子

ファクトムはパブリックチェーン寄りなデータ管理サービスとして製品アップデートを続けているようです。
Our latest Harmony product has arrived! Read our new press release about Harmony Integrate, a blockchain based way to make processes and data independently verifiable: https://t.co/OklxtE3t7b#FactomHarmony #HarmonyIntegrate #AustinBlockchain pic.twitter.com/i7xBFpuPPs
— Factom (@factom) 2019年6月4日
国内でもIBMを筆頭に独自の商業向けブロックチェーンによるデータ管理システムを提供しています。
しかしそれらには仮想通貨は発行されません。中央集権ということには変わりがないということですね。
ファクトムはそれらよりもパブリックチェーン寄りな技術であり、他のブロックチェーンプロダクトにはない特徴です。
そこを今後もどう生かしていくのかが普及の肝になっていくのかなと思います。
Here’s a throwback to 2017 – This was one of our favorite team building activities! Stay tuned for more leading up to our 5 year celebration next week. #FactomTurns5 #TBT pic.twitter.com/YyLt1IjT7V
— Factom (@factom) 2019年4月25日
ファクトムも2019年でプロジェクト開始から5周年ということで 2017年度に流行りに乗っかって流行りの終焉とともに消え去ったプロジェクトとはまた少し違うものだと思います。

この記事を書いているタイミングの2019年6月ではビットコインが100万円まで再び回復して相場は盛り上がっています。
一方でファクトムの方にはあまりお金が流れていないようです。これをチャンスと見るかどうかは人それぞれかなと思います。
価値がさらに下がる可能性もありますが、逆にとあるニュースをきっかけに一気にマネーが流れて急上昇する可能性もあるので悪いチャートではないと思います。

ファクトムとは

ファクトムはスタートアップ企業の名前だにゃ(Factom Inc.)。
2015年に初めてビットコインの技術をベースにして大量のデータをブロックチェーン上に記録することに特化したトークンを発行したにゃ。
だから通貨目的として用いられがちなビットコインと違って通貨としての利用を前提としていないにゃ。ちなみに名前については紛らわしいことが起こっていて会社の名前がファクトム(Factom Inc.)で、トークン(コイン)の名前がファクトイド(Factoid)と呼ばれているにゃ。
SNSや取引所などでは両方を一緒くたにFactomと呼ばれているにゃ。
ストーリー
ファクトムはブロックチェーンを利用したデータ保存のシステムを使って世の中を公正なシステムに作り変えることを目的にしています。
今のままでは今後も現在と同じように改ざんや不正、データの消失がはびこった未来が訪れるかもしれないと懸念しています。
ファクトムを通じてプライバシーをセキュアなシステムで守ってもっと公平な世界にできると考えているそうです。
Factomの頭4文字は Fact = 事実 というところからも理念が伺えます。

Factoidはビットコイン2.0系のトークンだにゃ。
FactoidはFactomのサービスを利用した際の手数料としても使えるトークンらしいにゃー。
オープンソースのためGithubでリソースを確認できるからリソースを見たい人はチェックだにゃ(外部リンク:Github-Factom)
基本情報
![]() |
コイン名 | ファクトイド(ファクトム) |
略称 | FCT | |
公開日 | 2015年1月15日 | |
コイン上限枚数 | 無制限 | |
国内取引所 | coincheck | |
海外取引所 | Poloniex | |
ツイッターアカウント | @factom | |
承認方式 | PoPublication【Proof of Publication】
PoProcess【Proof of Process】 PoAudi【Proof of Audi】 PoB【Proof of Burn】 |
|
ホワイトペーパー | Factomホワイトペーパー | |
公式HP | Factom公式ホームページ |
コインマーケットキャップ情報
M = 100万 例:$100M = 1億ドル
巨大市場を取り囲もうとしているファクトム
アメリカの住宅ローン市場
アメリカの住宅ローン市場は一説によると1兆ドルあるそうです。
あくまで仮の話ですが、例えばアメリカの市場が100兆円あるとして、その内の1パーセントがFactoidの承認手数料に回れば当然100兆円の内、1兆円がファクトムの市場になりえます。
2018年1月のFactoidの市場サイズは約400億円程度です。
承認手数料のところでどの位の手数料を生み出してくのかわかりませんが、もしアメリカで成功を収めることができれば世界でも用いられるようになることも考えられます。
そう考ると何れにしても時価総額400億円では収まりきることは難しいかもしれません。これが❶市場を獲得して時価総額UPと❷まだ価格がまだ安いに繋がると考えます。
もし実際にFactomのシステムが市場で流通すれば様々な面で効率化が推し進められます。
現状は様々な企業が開発した不動産向け管理ソフトを利用してデータが取り扱われているため、データの質やデータの量にばらつきがありますし中にはデータ自体が消滅していたりします。
そのため効率的ではありません。
おまけの筆者の意見としてはデータによるイノベーションも加速するでしょう。
現在、データサイエンティストは作業時間の大部分をデータの整理に費やしています。
データの質と量を一定に保つことに成功すればをデータ整理に時間を費やさなくて良くなり、データ分析のスピードもかなり加速化されるのではないかと考えています

医療産業市場
個人の健康状態や病歴データなども残っていたり残っていなかったりでバラバラです。
そこが一元管理されれば診察の効率化は言うまでもないです。
しかし大量の同品質のデータが集めることができればデータ分析の制度も上がりPrecision Medicineと呼ばれる高度なデータ分析を含めた医療診断分野にて、正確な診断がなせるようになる事例が増えて行くことも考えられます。
Nasdaqの世界調査によると、Precision Medicineの領域だけでも2024年までに約1兆円ほどの規模になると言われています。

ファクトムプロジェクト
ファクトムハーモニー(Factom Harmony)

Factomはファクタムハーモニープロジェクトで住宅ローン市場に特化してプロジェクトを始めました。
住宅ローン業界では毎年5兆ページという膨大な住宅ローンのデータが世界で積み上がっているそうです。
紙1枚の厚みを0.1mmと仮定した場合、すべて積み重ねると500万kmの高さに到達してしまう量です。月まで38万kmの距離がありますのでその量がどれだけすごいのか分かりますね。
しかも過去の40兆ページ分のデータが今も何らかの形で保存されているそうです。
しかしこれらをプライバシーも守りつつ、ハッキングできない仕組みできちんと保存していける方法が今まで存在しませんでした。
そこの巨大市場の欠点部分に目をつけて生まれたプロジェクトがファクトムハーモニーでした。
周知のようにブロックチェーンの技術を用いれば改ざんの難易度が非常に高くなるため、取引所などを除いて管理に組織や人が不必要になります。
結果として低コストで管理できるようになります。
書類の管理が自動化されれば事務職の人件費の大きな削減につながります。
ブロックチェーンの技術を用いていることをアピールすれば企業の透明性のイメージアップにも繋がる一石二鳥だと思われますので取り入れる価値があるのではないでしょうか。
現在はこれから実際に使ってくれる起業家などを募っているようです。大きな不動産企業との提携が始まれば価格上昇のための好材料となります。
DLoc by SMARTRAC(ディーロックバイスマートロック)プロジェクト
DLocとは実際に企業SMARTRACとコラボレーションして生み出されたプロダクトです。 DLocはブロックチェーン上の情報を取得できるステッカーです。


上のようなステッカーがプロトタイプのようです。こちらをスキャナーで読み込みます


スマホなどのスキャナーで読み込みます

管理ソフトから瞬時に情報が読み取ることできます
このように実際にプロダクトも形になっており、期待値は高いでしょう。
❸プロダクトが実際につくられていると❹企業とすでに手を組んでいるのポイントになります。
スマートIDで個人認証を世界レベルで加速させることも計画されている

FactomはスマートIDと呼ばれるシステムの実現も目指しています。例えば医者に診察してもらう時に、指紋認証を通じて同一品質の個人情報を閲覧できるとしたらどうでしょうか。
日本にいてお薬手帳をもらったりすると思いますがそれが海外の人も閲覧できるのかといえば無理ですよね。
ブロックチェーン上の改ざんが難しいセキュアな場所へ個人情報を残しておいて何か起こったり巻き込まれた時に自分の情報を相手に伝えることができます。
筆者も海外の病院へ運ばれた経験がありますのでこうしたグローバルな利点は興味がありますし、Factomのさらなる可能性を感じさせられます。
Factomの価格
2015年は1FCT=11円でした。2018年1月は約4900円になります。
50倍近く上昇しています。一時期は9000円台まで跳ねました。
今はまだプロダクトが普及する前に価格です。本当に技術が普及していく前提であればまだ安い金額に思えます。
日本のインフルエンサーピックアップ
2015年4月の段階で大石哲之さんがFactomに投資したそうです。
与沢翼さんが2017年に2000万円を投資したそうです。
資金調達
2016年度は合計で約800万ドルの調達に成功しています
内訳としては、2016年10月5日にビリオネアのTim Draper@TimDraperから430万ドルを調達しました。
他にStewart Title、Overstock, Fenbushi Capital、Plug & Play、Peeli Ventures,、Harvest Equityなどからも調達で合計530万ドルを調達したそうです。
その他にアメリカテキサス州オースチンの数々の投資家から270万ドルの調達に成功して合計で約800万ドルまで調達できたそうです。
❹資本家からの期待値が高いの部分はここのポイントになります。

懸念ポイント
すぐに効果は出ない
よくあることですが、大企業はよく古いシステムの中で最適化を繰り返してきています。
すでに完成された流れからいきなりブロックチェーンで管理する習慣が根付くかどうかは全くの未知数です。
まずは小さくとも実績を残してゆっくりと大きくなれば世の中を変えうる力になるかと思われます

Factoidを利用する必然性はあるのか
筆者が調べた範囲内では、自分が利用する立場になった場合のFactoidを積極的に利用するメリットを把握できませんでした。
なぜならFactom Inc.は仮想通貨で取引されるFactoidの急激な価格変動で組織が使いたくなくなるといったポイントを予防するために別途、Entry Credit(EC)と呼ばれるクレジットを発行して使えるようにしているからです。
Entry Credit(EC)はFactoidと違って値段の変動がなく、一度Entry Credit(EC)へ変換してしまうとFactomへ戻すことできない不可逆性を持っているそうです(外部リンク:Entry Credit公式ページ)
しかしEntry Credit(EC)を直接法人通貨から購入することもできるため、それではFactoidを購入することの必然性が薄れてしまいます。
最初からEntry Creditを買えばいいよね?と思うのですが誰か詳しい方がいれば教えて欲しいです。
提供するサービスによってFactoidと使い分けするのかもしれません。
もしくはFacoidから使った方が割安にする?などの特典がつくのかもしれません。それとも開発資金のためにやっているのかもしれませんが何かわかったら更新いたします。

発行数はFactom Inc.にコントロールされうる
発行枚数に上限がなく発行枚数はFactom Inc.がコントロールできる状態です。
リップルと同様に中央集権としての側面が出てきてしまいます。
管理側が発行枚数を減らしすぎて稀少性が高まってしまったり、逆に発行しすぎてインフレが起こってしまったりと、会社に未来が委ねられている点はマイナスです。
Factomを購入できる国内取引所
Factomが購入できるのは5分で登録できて見やすいチャートのアプリで取引ができる、coincheckです。
国内だとcoincheck以外にFactomを購入できる取引所はありません。
ファクトムの特徴と今後の将来性を評価&予想 まとめ
長期的にFactom Inc.の将来性は明るいのではないでしょうか。
昨年のビル&メリンダ・ゲイツ財団と提携したりといい、シードラウンドAで8億円以上を調達することもできていたりといい、実際にプロダクトができているといい、好材料となるニュースが多めです。
まだ発行枚数に上限があったり、Factoidの必然性のところで引っかかるポイントが確かにありますが、開発資金を工面したり様々なところで開発者の仕事がたくさん残っているのかもしれません。
しかしそれらを凌駕してマーケットがまだまだ拡大していく余地が多いように思えます。
住宅ローンのモデルで成功すればまた別の領域で勝負していき、いくらでも可能性が拡大していく未来があります。
次に実際に大きな不動産業界か医療関係の組織で実際に使われ始めてから真価が発揮されるかと思います。
実際に使われた際に思わぬ課題が生じてしまったのはビットコインも同じでした。
しかし古い体質の世界で新しい技術が普及するには時間がかかります。
そのため総合的には1、2年以上の長期投資で腰を据えて入るのであればアリだと思います。

2019年6月追記
2018年上半期の頃はまだ競合が少なく、ファクトムの優位性は強かったと思います。
しかし全世界で大手企業がこぞってブロックチェーンの取り組みを始めたため、競合は多いのかなという印象です。
早期参入によるアドバンテージは持っているかと思います。
それでも企業のブロックチェーンと違うのはパブリックチェーン寄りなブロックチェーンであることです。
企業のブロックチェーンは実質的には中央集権であり、そのイメージがついてしまいがちです。オープンなイメージを広めたい企業などはFactomを取り入れるのではないでしょうか。
【 ブロックチェーンの基盤を比較 】 中央集権型で非中央集権型でゆらぐチェーンの記事で数種類のブロックチェーンの比較を記載しているので参考にどうぞ。
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