「 ビットコインキャッシュのハードフォーク 」が迫ってきました。
日本時間では 5月15日 25:00時 にハードフォークが予定されています。
価格の動向やハードフォークの内容、今後の影響について考えてみたいと思います。

ビットコインキャッシュのハードフォーク内容

ビットコインキャッシュは具体的にどのようにハードフォークを行うのでしょうか。
そもそもハードフォークとは?
ハードフォークとは仕様の変更を含めた仮想通貨の派生(分裂)のことを言います。
周知のように、もともとビットコインキャッシュはビットコインから派生した仮想通貨です。
BTCとBCH比較 | ![]() | ![]() |
ブロックサイズ | 1MB | 8MB |
ブロック生成時間 | 10分間 | 10分間 |
難易度調整 | 14日毎 | 条件次第で都度 |
容量の拡張性 | なし | あり(32MBまで拡張可能) |
主要な開発グループ | Bitcoin Core | Bitcoin Unlimited |
発行上限枚数 | 2100 万枚 | 2100 万枚 |
Segwit | あり | なし |
表のようにビットコインとビットコインキャッシュの性能は違います。
ベースは同じだけど仕様が違うものとして今までの取引履歴は引き継ぎつつ別の仮想通貨として誕生するのがハードフォークです。
「いくらでも派生すれば錬金しほうだいじゃないの?」
と思われるかもしれませんが、もともと絶妙なバランスで計算されて普及したおかげでビットコイン及びメジャー通貨は価値を世界から認められています。
むしろ、基本的に派生するほどお金としての価値に不安が生じますので全体的な価値が低下してしまう可能性もあるので日々、議論が行われます。
実はニュースにならないだけでイーサリアムのような有名な仮想通貨でも無意味なハードフォークが繰り返されています。
度々の質の低いハードフォークに対してイーサリアム考案者のヴィタリックが沈黙することが多いのは知名度が広まるとイーサリアムの価値を下げるからだったのかなと推測しています。
ハードフォークとはそもそも何かについてはハードフォークとは 仮想通貨の分裂はロックバンドみたいなものでロックバンドに例えて解説しているので読んでみてください。
ビットコインキャッシュの次に来るものは何?
ビットコイン→ビットコインキャッシュと派生したように
今回は
ビットコインキャッシュ→ビットコインキャッシュ
このように派生します。
「って、同じやんけ笑」
と思われたかもしれません。
実は今回は派生しないようです。(もし間違えていたら訂正します)
開発者のソースを探してみても別のコイン名となって声明しているものは見つかりませんでした。
容量を変更するためのアップデートのようなものですね。
旧ビットコインキャッシュ→新ビットコインキャッシュ
このような形で新しい船に総乗り換えといったイメージになります。
ビットコインキャッシュのスペック変更点

新ビットコインキャッシュでは容量が 32MB に増量します。
旧ビットコインキャッシュの 容量は 8MB です。
この 32MB という数字には大きな意味が込められています。
それはサトシナカモトの設計思想に対するリスペクトに近いものです。
実はビットコインキャッシュの派生元であるビットコインの初期は 32MB で運営されていました。
しかし、 32MB であると 32MB分 のデータ処理が必要になります。
データ処理の量が増えるとコンピュータの計算量が増え、それが電気代の増加にもつながります。
現在ほどのトランザクション量(取引量)になることは想定されていなかったため 32MB は初期では大きすぎました。
そのため 32MB → 1MB まで ” 後から ” 変更されることになりました。
32MB とはある意味、ビットコイン初期への回帰の意味合いがあります。
ビットコインキャッシュの追加コード
ビットコインキャッシュではOpcodeに変更があります。
Opcodeとはオペレーションコード(Operation Code)のことです。アセンブリに近い言語です。
scriptPubKeyで使われているOP_◯◯を先頭にしたコードのことを言います。
OP_CAT、OP_AND、OP_OR、OP_XOR、OP_DIV、OP_MOD、OP_SPLIT、OP_NUM2BINの変更に加えて、OP_BIN2NUMが追加されます。
OP_RETURNのデータサイズは 220kb に増加します。
このOP_RETURNの増加はビットコインのカラードに関する部分だと思われます。
意外に重要!OP_RETURNとは

OP_RETURNというコードは、スタックマシン停止命令のことです。
加えて、このOP_RETURNの後には任意のデータを書き込むことができます。
任意のデータとはビットコインの送金履歴に好きなデータをくっつけることができるということです。
スマートコントラクトとはまた異なってきますが、送金履歴にプラスの情報などを埋め込むことができるということになります。
カラード(色付け)と呼ばれている部分です。
そのための容量が 80キロバイト から 220キロバイト に増加します。
それでビットコインキャッシュの容量が増えるとどうなるの?
肝心なところはここですね。
現状ではビットコインキャッシュの容量は 8MB です。
ですが、8MBでも現状は十分に容量が有り余っています。
そのため、送金手数料も安いので緊急的な必要にこたえてということでもないと思われます。
むしろ 32MB になると生じる問題はあります。
それはマイニングできない人が増える問題です。
ブロックチェーンでマイニングを本業とする人たちは、これまでの全ての取引履歴(ノード)をディスクなどに保存して管理しています。
ビットコインキャッシュはビットコインと同じように10分毎にブロックが生成されます。
マイナーたちは生成されたらすぐにブロックが生成された事実を取引履歴(ノード)を上書きしないといけません。
ここはマイナーのネックになります。
ブロックが生成された事実を共有することはインターネットで行われます。ですが、ネットの回線速度が遅いと共有するのに時間がかかってしまいます。
ここで共有することに時間がかかってしまうと(コンマ1秒の世界)、次にマイニングで報酬を獲得できる確率が一気に下がってしまいます。
一方で最高の環境と潤沢な資産のあるジハンウー率いるBitMain社のようなマイナープールはさらに稼げるようになります。
ネット回線の環境の悪い一般マイナー達は稼げなくなり、ネット回線の環境を整えられる事業者はさらに稼げるようになります。
一極集中ですね。
ビットコインキャッシュの価格への影響

短期視点
短期視点でいえば、メディアに注目されるようなハードフォークの場合、ハードフォークの直前までは一時的に急騰します。
ハードフォークが完了した直後は急落します。
長期視点
長期視点でいえば、ビットコインキャッシュが基軸通貨となった際にさらなる価値をもたらすと思います。
とはいえ、現状ではビットコインキャッシュは 8MB でも十分に容量が足りています。
空き地をさらに空き地にしてしまっているのは無駄なようにも思えます。
何より、マイニングできるハードルを引き上げるだけでデメリットなようにも思えます。
もっと、価格が高騰してから行っても良いものではないかと思います。
どのような意味合いかは分かりませんが、「大きな急騰」に備えて 32MB に容量を増やす目的かもしれません。
仮に「大きな急騰」に備えているとして、どのくらいの確信があって、どのくらいの期間を見込んでかはわかりませんね。
ちなみに当たり前?かもしれませんが 「32MB でうまくデータ転送をやっていけるのか」 という声も多いようです。
それに対する答えかわかりませんが、ビットコインキャッシュを代表するジハンウーは 1TB でデータ転送の実験をしているそうです。
1TBは絶対に必要がないと思うので、疑う人やメディアに対するパフォーマンスとしてやっているのでしょうか。
ここら辺はいろいろやっているなあと思いながら静観するしかありませんね。
ビットコインキャッシュのハードフォーク まとめ
ビットコインキャッシュがビットコインを超えるかもしれないという話は 2017年 から囁かれていました。
大物投資家のロジャーバーとジハンウーはかなりビットコインキャッシュに肩入れしています。
今回のハードフォークの容量増加は今の相場だとマイナスにしか見えません。
ですがビットコインキャッシュがビットコインを抜かすことを見越してのものであるとすれば、かなりの自信と言えますね。
ハードフォーク後の押し目を狙ってポジションとってみるのも良いのではないでしょうか。
ビットコインキャッシュがなぜ、ビットコインを抜かす可能性があるのかに関しては次の記事により詳しく書いています。
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